この記事でわかること!!

  • 再登校がなぜ失敗するのかわかります。
  • 再度学校や社会に向き合うときの子どもの心理状態がわかります。
  • 親としての支え方・サポートの仕方がわかります。
 
質問者

子どもがやっと「学校に行こうかな?」と言うようになりました

田中
よかったですね。
質問者
でも、本当に行けるかどうか不安です。どう声を掛けたらいいでしょうか?
 
田中
声をかける前に、「学校に行こうかな」というお子さんの気持ちをまずは理解することが大事だと思います。
まずは再不登校を考え出す子どもの気持ちについてお話をしていきましょう。
 

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再不登校を考え出すタイミングときっかけ

不登校でずっと家にいる状態が続くと、
ある日「このままじゃいけない」と子どもは思うようになります。

そのため心の奥底では
「もう一度学校に戻ってみたい」と考えていることが多いです。

で、ある時に「来月から、来年から学校に行く」と言います。

タイミングやきっかけは色々です。

以下、5つのパターンがあると思います。

  1. 不登校の友達が別室登校に行くようになったから。
  2. 受験や進学が近づいてきて向き合わざるを得なくなったから。
  3. 修学旅行や遠足が目の前に迫ってきたから。
  4. 先生や周りが一生懸命に声掛けをしてくれたから。
  5. エネルギーが十分に充電できたから。
 

子どもによって実に多くのタイミングやきっかけがあります。

1~4は周りの変化によって子どもが再不登校を意識していますが、
5は子どもの内面の成熟によって学校に戻れるという確信が
持つようになった
ということに違いがあります。

さて、あなたのお子さんが「学校に戻ろうかな」と言った時、どの段階でしょうか?

 

実は再登校は子どもたちにとっては怖いこと

ここで多くの親や先生方に知っておきたい事実があります。

実は不登校の子どもたちにとって再度学校に戻るということは、
かなり怖いことなのです。

例えば、いじめで不登校になった子がいたとします。

で、しばらくして「学校に戻ろうかな」と言うようになりましたが、
クラスの子は変わっておらず、
戻ったところでいじめられるのがわかっているような状態です。

この状態で学校に戻ることは出来ません。

上記は極端な例ですが、
何か月も学校から離れている子供にとって、
再度学校に戻るという事はとても怖いことなのです。

なので、
子どもが「学校に戻りたい」というのはとても勇気がいることで、
ずっと行けなかった学校に戻ること自体、
とても大変な作業なんだ
という認識を持ってもうことが大切です。

この辺りを無視してしまうと、
子どもは一生懸命歯を食いしばって学校に行っているのに、
親や先生は「ああ、学校に行った!よかったよかった」と思ってしまいます。

そうなると子どもの心と大人の認識がズレてしまうようになり、
子どものエネルギーはあっという間に空っぽになってしまいます。

なので、不登校の子にとって再登校は
とても大変な事なんだということを頭の片隅に置いておくことは、
子どもを支える上でとても大切になってきます。

再不登校が失敗してしまう原因とは?

まず親子関係があまり良くない段階での
再登校は失敗する可能性はとても高い
と言えます。

まず不登校の子どもにとって学校と言うのは、
かなりエネルギーを消耗するところです。

決められた校則に従わないといけない、
クラスの子とはある程度仲良くならないといけない、
理不尽なことがあっても流さなくてはいけない、
そして勉強や行事・宿題などしないといけないことがたくさんある・・・

大人であれば、合わなければ転職すればいい、
何か別の手段を取ればいいと何かしら対処法ああります。

しかし、子どもにはそうした対処法はありません。
しかも子どもには学校以外の選択肢がないことも多々あります。

そうした中で一生懸命頑張っているので、
日々エネルギーを消耗しています。

そのエネルギーや親が子どもの頑張りや良さを
理解することで充電されるのですが、
親の理解が追い付いていないと、
心のエネルギーをどんどん消耗してしまうのです。

その結果、1週間や1か月くらいで再度休みがちになり、
不登校状態になってしまいます。

もちろん、子どもの中で生きる強さ
(この場合は「まあ、自分は自分でいいか!」と割り切れる強さ)があれば、
エネルギーはそれほど消耗しないので大丈夫です。

でも、それができていない段階では
親や先生がしっかりと見守り、
声掛けをしていくことが必要です。

ある先生は「心の絆創膏」と言っていましたね。

少しでも疲れているならケアをして、
そして頑張りやすいように支援をしていく。
これが大事だということです。

 

学校に戻りだしたときに見逃しやすいSOS

しかし、実際はそうじゃないことも多いです。

再登校になったときに、先生がお父さん・お母さんによく言う言葉があります。

それは

「今日も元気に登校していましたよ。
友達とも楽しくおしゃべりしていて全く問題ないです」

という連絡です。

それで親も先生も安心してしまい、
また1週間後に「行きたくない」と言い出し、
周りは「え?なんで?」と困惑してしまいます。

これは本当によく見られる現象です。

子ども達は学校に行く時は
かなりエネルギーを使って気を張って学校に行きだします。

中にはほとんど寝ずにハイテンションで学校に行く子もいます。

この時に

「あれ?無理していないかな?大丈夫かな?」

という目を持つことが大事です。

特に再登校から最初の3日間は注意しておくことが大事です。

ただ、お子さんによっては「大丈夫?」と
声を掛けたことで頑張る気力を失くしてしまう子もいるので、
この辺りはケースバイケースになります。

なので過干渉気味に毎日「大丈夫?」と
聴き続けるのもあまり好ましくありません。

ただ、再登校の時は、
無理をしていないかをしっかりと見ておくことが大事です。

ポイントとしては家に帰ってきたときに、
不登校が始まりかけたときのような兆候がなかったかどうかです。

家でゲームをずっとし続ける、
1週間たって夜寝るのが遅くなる、
朝起きにくくなる、
氷を食べ続けるようになる、
家での動作がゆっくりになってきた・・・などなど。

 

こうしたSOSをしっかりとキャッチして、
無理をしていると感じたらさりげなく「大丈夫?」と聞いてみる。

そして子どもの意思や思いを聴いてみることです。

学校復帰を決めるのは子ども自身

私は学校復帰は子どもの意思や決心が大事と思っています。

その理由は、「子どもが決める」ということが
生きる力を身に着けていく上で
何よりも大切だと考えているからです。

なので、子どもが「戻る」と決めて計画を立てて、実行していく。
失敗したらそれでOKなのです。

むしろ大人が強引に進めて、
子どもが訳も分からず乗っかってしまって、
潰れて失敗することの方がリスクは大きいです。

「お前らのせいでまた失敗した。もうこれで学校に行けない!」

と親や大人に対して不信感を募らせます。

こうなると親のフォローやサポートも受け入れてはくれません。

しかし、自分で決めて失敗したのであれば、その責任は子どもにあります。
落ち込むしイライラするし、苦しむこともあるでしょう。

でも、自分で決めて失敗したというのは、
誰かに決められて失敗することよりもとても価値があります。

この段階であれば、周りもフォローしたり、ケアも大分しやすいです。

自分で決めて失敗して乗り越えていく。

これが生きる力を育むためには必要なのです。

なので、学校復帰をゴールにするのではなくて、
学校復帰を通してどう「生きる力」を育むのか。

そのことをしっかりと見据えておくことが大事なことだと言えます。

まとめ

この記事のまとめです。


  • 再登校のきっかけは子どもにとっていろいろだが、理想は子ども自身の心が育って「行ける」という確信が持てていること。
  • ただ、再登校は子ども自身にとってとても怖いこと。親や教師はそうした子どもの心があることを頭の片隅に置いておくことが重要。
  • 最初の再登校は無理をしていることも多い。「学校で楽しそうにしている」という情報を鵜呑みにするのではなく、家に帰ってからの様子を見て、無理をしているようなら声をかけること大事。
  • 学校復帰は不登校解決のゴールではない。あくまでも「生きる力」を育むための手段。

親や周りがおぜん立てをして、
子どもを「変えよう」とする形で再登校を進めてしまうと、
高い確率で失敗します。

そうなると、子どもの心はとても傷ついてしまい、
次頑張ろうとする意欲が削がれてしまいます。

その回復はとても時間がかかるし、
その間大人に不信感を抱いてしまうので、
支援が止まってしまうので、注意が必要です。

今回は再登校についての
子どもの心理状態と考え方についてお話をさせて頂きました。

ただ、私自身は再登校については否定も肯定もしていません。
子どもによってどちらを選ぶかという立場でお話をさせております。

皆様の参考になれば幸いです。

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田中勝悟

田中勝悟

写真をクリックするとプロフィールへジャンプ

不登校専門心理カウンセラー
カウンセリングルームはぴっと室長
臨床心理士 公認心理師 選択理論心理士
「3つのステップ」によって親子が成長していくことで、不登校をプラスに乗り越えることをサポートする専門家。生まれつき性格という観点から、親が子どもの理解が深まることを主眼においてカウンセリングを実施している。

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