
不登校の原因がいじめとかじゃないのはわかったけど、そもそも繊細さというのはどういうことなの?

不登校の子に共通しているのは繊細さや独特の感性ですが、これを一言でいうのはかなり難しいです。
でも多くの不登校支援の人は「繊細な子が多いんですよ」と教えてくれます。

う~ん、そうなのかな?

今回は「繊細さ」についてお話しますね。「うちの子って学校に合わない繊細さがあるんだ」という目線で見直してみると、子どものことが理解できますよ。
繊細な子は不登校になりやすい
まず、繊細さですが、フリースクールや不登校支援をしている人に聞くと、多くの人が「不登校の子って本当に繊細なんです」と教えてくれます。
実際に不登校のお子さんと会うと、先の先まで読んでしまうような勘の鋭さを持っていることも少なくありません。
後は、周りが喧嘩したり怒られていたりするのを見ると、自分は関係ないのにひどく傷つくこともあります。
先生が他の子を怒っているのを見て、「まるで自分が怒られているかのように」感じてしまう子は、実は不登校のお子さんでは非常に多いのです。
また、ちょっとした周りの一言で傷ついてしまったり、相手の裏の裏を読み取ってしまう子もいます。
ある女の子は「相手の裏の裏まで感じてしまってすごく苦しい」と話してくれたことがあります。
また、なんというかオカルト的な話ですが、あの世的な感覚とつながりやすいという子もいます。
「幽霊が見える」とか「ここの空気がすごくよどんでいる」とか。
何かあの世的なものとつながりやすいのも、ある意味では繊細さかもしれません。
ただ、この繊細さと言うのはある意味では長所でもあります。
不登校の子は繊細さゆえに相手の気持ちを敏感に察知するので、人と合わすのが上手なところがあるのです。
独特の感受性
また、不登校のお子さんの特徴として、独特の感受性がある子もいます。
例えば、普通の人(?)は褒められるとうれしいと感じます。
しかし、中には褒められてもうれしいとは感じにくい子もいます。
他の子は遠足が楽しいけど、遠足が苦痛になる子もいます。
不登校のお子さんが良く感じることの一つに「周りの子とは違う感じが昔からあった」というのがあります。
他の子が楽しくしているのに、自分は楽しくはない。
そうした違和感をずっと持っているのです。
自分とは全く違う子たちと会い続けるのは非常に苦しいものです。
そのため、不登校のお子さんの多くは漫画やアニメなどサブカルチャーに没頭することもあります。
そうした創作の世界で、自分の世界を作り上げるしかない子がいるのです。
独特の感性を一言でいえば、「自分の世界が強い子」とも言えます。
そうなると、周りと合わすことは非常に苦痛になってしまうのです。
しかし、それでも頑張って周りに合わそうとするのが不登校のお子さんの特徴です。
まだ「違うしいいや!!」と思えたのなら、非常に楽なはず。
それができないからこそ、学校に行けなくなるくらい頑張ってしまうのです。
どうして繊細だと不登校になりやすいのか
ここで繊細さ、独特の感性を持っていると「なぜ不登校になりやすいのか」と疑問が出てくると思います。
そのためには、まず「学校」について考えないといけません。
学校とは「周りに合わせることを学ばせる場」です。
つまり、独特の感性や繊細さがあっても、それを抑えながら上手に周りと合わせることを学ばせる場なのです。
それが平気な子もいます。
その環境の中で自分を上手に出すこともできます。
しかし、その中では窮屈になってしまい、息苦しさを感じてしまう子もいるのです。
また、そういう子に限って周りに合わせるのがうまいので、周りの大人は気づかないまま、ある日急に限界を迎えてしまって学校に行けなくなってしまうのです。
「まさかうちの子が!?」状態です。
繊細さや独特の感性を持っていて、学校の中で合わなさを感じながらも頑張って合わしている子は、不登校になる可能性は高くなると思います。
HSPと不登校の関係は?
最近、繊細過ぎる人と言うことでHSPという概念が流行になってきています。
HSPとは繊細過ぎというより、刺激を受け取る受容体の反応が強すぎる人を指します。
例えば、光やにおい、音、味にかなり敏感な人がHSPです。
具体的に言えば、特定のにおいをかぐと吐き気が止まらなくなったり、音が複数あると集中ができなかったりします。
HSP=不登校と考えられやすいですが、私が今まであった人たちの中でHSPの子はほとんどいませんでした。
もちろん、ストレス状況が続いて感覚過敏になっている人はいましたが、落ち着いてくると刺激に敏感に反応することは少なくなってきました。
ここでお話している繊細さ、独特の感性はHSPとは別物だと考えてください。
(もちろん、一部似通っているところもありますが)
HSPで教室がしんどいと言いながらも友達と楽しく過ごせる子もいます。
不登校の繊細さというのは、どちらかと言うと学校や教室の雰囲気に合いにくい繊細さと言う感じです。
お父さん、お母さんにお願いしたいこと
以上、不登校の原因の一つである「繊細さ、独特の感性」についてお話をしてきました。
ここで一つお父さん、お母さん、もしくは学校の先生にお願いしたいことがあります。
それは不登校のお子さんを見るときに、「繊細なところ、独特な感性」と言う視点で振り返ってみてほしいのです。
これはお子さんを理解する第一歩になり、私もカウンセリングでいつもお願いしていることです。
そこが見えてくると、「なぜ学校に行けないのか」その理由が見えてくるようになります。
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