「不登校の気持ちがわからない」

そうおっしゃるお母さんは結構多いです。

そんな時に
「子どもの話を聴いたらいいんですよ」
と簡単に言う人がいますが、
これって非常に難しいのです。

というのも、
相手に自分の気持ちを話すのはかなりエネルギーがいることです。

そして、大切なことが、私たちは悩みを話す人を選びます。

子どものことがわからないときというのは、
多くは子どもが気持ちを親にしゃべらないときです。

その裏には今回ご紹介する3つの不信があります。

今回はその3つの不信と、
どうすれば子どもが気持ちを話してくれるようになるのか
についてお話したいと思います。

ポイントは子どもの背景がわかるように

話を聴くポイントとして、
大事なのはその人の背景が分かるように聞くということです。

カウンセリングのテクニックの一つですが、
私は話を聴くときに
その時の状況を具体的に聞くようにしています。

例えば、「苦しい」と言われて「苦しいんだね」だけだと、
十分聞いていることにはなりません。

私であれば「どう苦しいの?」と詳しく聞くようにします。

もし、相手が「そんなん言わんでも察してよ!!」と怒ってきたら、
状況によりますが、こう返すことが多いです。

「あなたがなぜ苦しいのかを
私も理解したいと思ったから、
教えてほしいんだ」と。

相手の感情ワードだけで、
相手のことを理解することはできません。

なので、何が起こったのかを具体的に聞いていき、
そう思った背景を
しっかりと理解していくということが大切です。

注目記事

それでも子どもが話してくれないときは

でも、どうお母さんの思いを伝えても
子どもが話そうとしてくれないこともあります。

その理由は3つあります。

 

  1. お母さんに心配をかけたくないから言えない
  2. 親の力に頼らず自分の力で何とかしたい
  3. 親に言っても理解してくれないと思っている

 

このうち、1と2が理由であれば、
あまり深追いをしない方がいいでしょう。

「そっか、でもあなたがそんなことを言うなんて、
何か苦しいことがあったと思う。
だから、無理だと思ったら、力になるから言ってね。
人に頼るということも生きていく上でとても大事なんだよ」

と伝えるにとどめるのも手です。

ただ、あまりにも子どもが苦しそうな顔をしていた場合は、
もう少し踏み込んで、
「そんな苦しそうな顔をして、大丈夫なわけないでしょう!!」
と言った方がよい場合もあります。

「3つの不信」から親に気持ちを言えない

問題は、3番目の「親に言っても理解してくれないと思っている」です。

これはさらに3つの「不信」が背景にあることが多いです。

1.話を聴かないという不信
2.否定してくるという不信
3.親の意見を押し付けてくるという不信

具体的に考えて見ましょう。

1)話を聴いてくれない不信

まずは話を聴いてくれない不信です。

私たちの多くは人の話を聴くのは苦手です。
特に不意打ちで深刻な話を聴くのはなかなかできません。

カウンセラーは決まった時間の中で聴くから、話を聴けるのです。

傷ついている子どもは、
話を聴いてくれるかどうかという雰囲気を敏感に感じています。

そのため、親が忙しそうだったり、
多分「間違っているといってくるだろうな」と思うと、
すぐに自分の気持ちを言おうとしなくなります。

また、親が受け取ってくれるかどうかも子どもは敏感に感じ取っています。

「多分わかってくれない、気持ちを汲み取ってくれない」と思われると、
話すということはできなくなってしまうのです。

これは普段からどれだけ、
子どもの感性を理解しているかどうかにかかっているので、
日常のコミュニケ―ションをどうとっているかが試されるところです。

2)気持ちを否定してくる不信

2番目の「気持ちを否定してくる不信」ですが、
つい「そんなことないよ」と言った経験はないでしょうか?

これって、時と場合によっては相手の気持ちを否定するときもあります。

例えば、私の著書「不登校はチャンス」を読まれたお母さんから

「今は先生の言っていることが分かるので、
タイトルの意味も受け入れられるのですが、
当時苦しんでいた自分がその本を勧められたら、
『何がチャンスだ。馬鹿にしているのか』と
全否定された気持ちになったと思います」

と話されていました。

何が言いたいかというと、
良かれと思って言ったことも、
その人の気持ちを
すべて否定してしまうということです。

子どもが
「友達が何も話しかけてこないから
無視しているんじゃないかと思う」
と言ってきたときに、

つい大人たちは
「それは気のせいだよ」
と言ってしまうことがあります。

それを言うと子どもは
「あ、自分の気持ちは汲んでもらえないんだ。
否定されているんだ」
と思ってしまいます。

相手の気持ちに敏感で傷つきやすさを
持っている不登校の子ならなおさらです。

それが繰り返されると、
「多分親に行っても伝わらないだろう」
という気持ちが出てきてしまい、
つらいことを抱え込んでしまうのです。

その結果、気持ちを出せなくなり、
さらに精神的に追い詰められていきます。

3)親の意見を押し付けてくる不信

これも大人がやってしまいがちなことです。

「明日は勇気を出してあなたから声をかけたらいいんだよ」

と言われると、

子どもによっては
「あ、声をかけられない私が悪いんだ」
と思ってしまいます。

これは末っ子タイプの子であれば、
結構な確率で当てはまります。

参考の記事

親や大人は子どもよりも長く生きています。

その分、子どもに見えない景色をたくさん見てきているので、
その分どうすればいいのかわかっています。

亀の甲より年の劫です。

しかし、ここで大事なことは、
子どもはその子が生きてきた
人生しか知らないということです。

親や大人の意見は、子どもにとっては全く知らないことだし、
もしかしたら子どもの生まれつき性格とは合わないものかもしれません。

人は知らないこと、合わないことをアドバイスされると、
時として「押し付けられたように」感じます。

それが繰り返されると、子どもは
「やっぱり話を聴いてくれず、自分の考えばかり言ってくる」
と思うようになり、不信感を抱くようになります。

そうなるとやはり自分の本音を言ってくれなくなってしまうのです。

日常のコミュニケーションが大事

こうした3つの不信を防ぐことが、
子どもの本音を聞き出すコツになります。

ではどうすればいいかというと、
やはり日常生活のコミュニケーション
をどう意識するかということになります。

ちょっと簡単なコツをお話ししましょう。

まずは、3つの不信に共通するのは、
「親に言っても伝わらない」
と子どもが感じているということです。

そのため、普段からのコミュニケーションをどうするかになります。

できれば子どもの話を聴いていくということになりますが、
そのためには傾聴のスキルを身に着けたり、
子どもの生れつき性格を理解していくといったことが必要となります。

また、注意深く子どもと関わり続けるのは、なかなか骨が折れるものです。

そのため、子どもがSOSを出すまで
話を聴くことすらできなかったというのは
ある意味当然のことだと言えます。

ただ、
SOSを出したときこそが
親が気づくチャンスかもしれません。

その時に、今までの子どもとの関わりを思い直して、
子どもの聴き方を学びなおしていくということが大事ではないかと思います。

注目記事

不登校は3つの不信を取り除くチャンスです

となると、実は不登校というのは、
「3つの不信」を取り除くチャンス
でもあります。

不登校とは、子どもと学校が合わなくて、
子どもにストレスがかかってきたときに起こる現象です。

また、親の方も、
子どものSOSに気づかないままだっということも少なくありません。

逆に考えると、

不登校というのは子どものSOSに気づいて、
親の関わり方を見直すチャンスでもあります。

もちろん、今までため込んできた
「3つの不信」を取り除くのは容易ではありませんし、
親子によっては長い期間を要するケースもあります。

でも、親が自身の関わりを見直していき、
3つの不信を取り除けたとき、
親としても大きく成長することができます。

ぜひ、不登校をピンチではなく、
親子関係を見直していき、
幸せな家庭に変えていくためのチャンスとして
捉えていくとよいでしょう。

もし、お子さんの気持ちがわからなくて悩んでいる
お父さん、お母さんへ。

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田中勝悟

田中勝悟

写真をクリックするとプロフィールへジャンプ

不登校専門心理カウンセラー
カウンセリングルームはぴっと室長
臨床心理士 公認心理師 選択理論心理士
「3つのステップ」によって親子が成長していくことで、不登校をプラスに乗り越えることをサポートする専門家。生まれつき性格という観点から、親が子どもの理解が深まることを主眼においてカウンセリングを実施している。

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