不登校のお子さんの相談でよくあるのが、
生活リズムの乱れです。

昼夜逆転やご飯を食べない、お風呂に入らない、
といった悩みを聞くことが多々あります。

その中でよく聞かれるのが
「過眠」という症状です。

1日20時間寝てしまう子もいるくらいです。

なぜ、そうした寝すぎという症状が出てくるのでしょうか?

その理由と対処法について関係解決型の視点から考えてみたいと思います。

動画でもお話ししています

不登校の子が寝すぎてしまう理由

この寝すぎという状態は、
不登校になってすぐの時に起こることが多いです。

あるお母さんは「ご飯食べる?」と声をかけても、
「ごめん、無理」といって15時間以上、毎日寝ていました。

当然、お風呂に入るのもバラバラです。

これは不登校初期と、
親子の絆が深まってきたときに起こりやすい傾向にあります。

なぜ、そうなるのでしょうか?

答えは簡単で、
「その子の脳と心が疲れているから」
です。

疲れているから、その子の体全体が
「とにかく安まないといけない!!」
といって、寝すぎなくらい、寝てしまうのです。

 

なぜ、心と脳が疲れるの?

これは不登校の子が持っている気質を見てみるとわかります。

不登校の子の多くは繊細さや感受性を持っている反面、
学校の中に合わない個性を持っています。

つまり、
会わない学校の中で、
神経を人一倍フル稼働させていたということ
なのです。

これってかなりきついです。

私もカウンセリングの時は、かなり神経を張り廻らせて
話を聴くようにしています。

で、終わった後はしばらく
横になるくらい疲れ切っています。

たった、1時間でこうなるのですから、
毎日学校に行っているお子さんにとっては
かなりの疲れじゃないかと思います。

で、その中でエネルギーが枯渇してしまい、
その結果、学校に行けなくなってしまいます。

これは不登校の基本的なメカニズムになります。

参考までに・・・

こうした脳の疲労を取るためには、
思いっきり休息をとるということが必要となります。

そのため、不登校初期の段階では、
お母さんや周りが心配なくらい寝てしまうということがあるのです。

 

親子の絆が深まったときも寝過ぎの症状が出るケースも

また、お母さんやお父さんが子どものことを理解していき、
親子の絆が深まってきたなと言うときも
寝すぎの症状が出てしまうときがあります。

これを退行や赤ちゃん返りと言う人もいますが、
簡単に言えば、
家の中がホッとできるようになったためです

周りが理解してくれないとき、
子どもはエネルギーを自分を守るためにフル稼働します。

 

例えるなら、アマゾンのジャングルで過ごすような感覚です。

当然ですが、いつ何が起こるかわからない中で過ごすため、
全く安心できない、眠れない中、日々を過ごしてるのです。

ちなみに、何から自分を守るのかと言うと、
今の自分を否定してくるんじゃないかと言う恐怖です。

不登校の子は日々、ギリギリの中で生きてきて、
必死の思いで、自分を守るために学校に行かない選択をしています。

だから、
「周りは自分のことをダメな子だと思っている」と考えていて、
日々ギリギリの精神状態で生きているんです。

そこで、親が少しでもその子のことを理解できるようになると、
「あ、お母さん、私のことをわかってくれているのかな」
思うようになります。

その時に、ホッとすると、一気に体の力が抜けます。

今まで全く休まらなかった心が、休める瞬間です。
その結果、いっきに何十時間も寝てしまう子も少なくありません。

 

寝過ぎに対する親の対処法とは

お子さんが寝すぎだと、親の方も心配になって、
「生活リズムを整えないと」と思って、
無理やり起こしたり、夜寝れるようにしたりします。

この気持ちはとてもわかるのですが、
少し考えてみてください。

もし、あなたが40度の熱を出して寝ようとしている時に、
「生活リズムが乱れるから起きておくように」
と周りから言われたらどう感じますか?

「殺す気か!!」と言いたくなると思います。

先ほどの経緯がお子さんに当てはまるのであれば、
まずはゆっくりと休ませることが大事ではないでしょうか?

ちなみに、熱が収まってきて、体が元気になってくれば、
自然と日中起きていられるようになります。

それと同じで、心が元気になってくると、
自然とあまり寝なくても大丈夫なようになってくるのです。

なので、今は

  • 子どもが疲れているんだと思ってゆっくり休ませること
  • どう今までしんどかったのかを理解してみること

この2つを実践して頂くのが一番の対処法なのです。

 

病院に連れて行った方がいい?

子どもが寝すぎなのがあまりにも心配になって
「病院に連れて行った方がいいか」と思うお母さんもおられます。

その時の私の答えは、
子どもが寝すぎな状態があまりにも困っていて、
何とかしたい思って病院を考えているのであれば、
行かせたらいいということです。

この場合、確かにSNRIといった抗うつ剤を飲ませれば、
日中は起きれる可能性は出てくるかもしれません。

でも、今休ませることが大事だというのであれば、
病院よりも休養を優先させることではないかと思います。

そして、起きたときに栄養のあるものを食べて、
家の中を居心地よくしていくことが大切です。

もちろん、子どもが行きたがっていたとしたら、
一緒に病院に行くことはOKです。

医者と話をすることで、やっとホッとできて、
そこから元気になるケースもあります。

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回復してきたときの子どもの一言

上記の対応をしていくと、
段々と子どもにも変化が起こります。

その筆頭となるのは、
「私結構寝ている・・・もうこんな時間?」と
寝過ぎということを自覚し始めたときです。

これは風邪を引いた時も同じですよね。

38℃以上熱が出ている時は
いくら寝てもまだ寝れますが、
治ってくると「寝すぎたかな?」と思えるようになってきます。

心と脳が回復してくると、
寝なくてもいい状態になってきます。

その最初の段階が
「寝過ぎということを自覚する」ということなのです。

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まとめ

関係解決型の関りをしていくと、
子どもの心がホッとしてくるので、
エネルギーが充電していきます。

その後で、
子ども自ら寝過ぎということが自覚できるようになり、
そこから自分で寝ないようにしようと
自発的に行動していくようになります。

じゃあ、親は何もしなくていいのか?
と思われますが、そうじゃありません。

子どものことを適切に理解していくということが大切なのです。

その上で、
「ちゃんと理解しているよ」というメッセージを
雰囲気レベルで伝えていく。

そうした作業をするからこそ、
子どもの心のエネルギーが充電されていきます。

これはむしろ親にしかできない、大事な作業じゃないでしょうか。

私はそう思っています。

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田中勝悟

田中勝悟

写真をクリックするとプロフィールへジャンプ

不登校専門心理カウンセラー
カウンセリングルームはぴっと室長
臨床心理士 公認心理師 選択理論心理士
「3つのステップ」によって親子が成長していくことで、不登校をプラスに乗り越えることをサポートする専門家。生まれつき性格という観点から、親が子どもの理解が深まることを主眼においてカウンセリングを実施している。

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