不登校専門心理カウンセラーの田中勝悟です。

今日、「かがみの孤城」を見てきました。

公式サイト

2017年に小説になって、漫画にもなっているので、
知っている方も多いと思います。

実は私が知ったのはつい最近のことで、

カウンセリング中にお母さんから、
「かがみの孤城は見たほうがいいですよ。
子どもも面白かったと言っていました」

と教えてくれたことがきっかでした。

詳しく聞くと、不登校の子どもたちが出てくるので、
「映画を見て子どもの気持ちがすごくわかった」
と話してくれました。

これは見なきゃいけないと、すぐにオンライン予約をして見に行きました。

以下、なるべくネタバレにならないように
感想を書かせていただきます。

「かがみの孤城」とは?

学校での居場所をなくし部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。
ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこにはおとぎ話に出てくるようなお城と見ず知らずの中学生6人が。
さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。期限は約1年間。
戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。
互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。
そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めた頃、ある出来事が彼らを襲う
――――果たして鍵は見つかるのか?なぜこの7人が集められたのか?
それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?
全ての謎が明らかになるとき、想像を超える奇跡が待ち受ける―

公式HPより)

小説はこちらになります。
※クリックするとAmazonのページへジャンプします。

 

不登校の子どもたちが出てくるお話

さて、冒頭にもお話したように、
この映画では不登校の子どもたちが出てきます。

むしろ、一人を除いてみんな不登校です。

きっかけはいろいろで、
いじめだったり、人間関係だったり、
家族や学校に居場所が無かったり、
頑張りすぎて自分らしさを見失ったり。

本当にいろんな境遇の子どもたちがいます。

子どもを子ども扱いしない

「かがみの孤城」ではオオカミ様と呼ばれる、
少女が登場します。

その子が言う言葉がとても印象的でした。

「考えろ、それがお前たちの使命であり、権利だ」

この言葉、カウンセリングをしていてハッとさせられます。

まだみんな中学生なんだから、
少しぐらいヒントを与えたり、助けてやってもいいのに・・・
と思うときもありましたが、

この映画では子どもたちを子ども扱いしていません。

あくまでも、
「自分と向き合う一人の人間」として扱っています。

これってとても大事なことだと思うのです。

子どもだから何もできないではなく、
一人の人間だから頑張って向き合おうとしている。

そして乗り越えていく。
そんな子どもたちの「力」を映画を見て強く感じました。

主人公が乗り越えられたきっかけ

主人公のこころさんはいじめられていて、
それで学校に行けなくなりました。

まあ、あんな経験をしたら大人でも
学校に行くのは怖くなります。

私だったら無理です!!

でも孤城で出会った人たちと関わる中で、
やっと自分がされてきたことを話すことができるようになります。

その後、お母さんがカウンセラーの喜多嶋先生に相談していることを知り、
喜多嶋先生から「こころさんは何も悪くない」と言っていたことを
お母さんから聞かされます。

その中で少しずつ心を開いていきます。

そして、やっとお母さんにも
つらかった思いを話すことが出来るようになりました。

その時に、こころさんは抑えていた思いをやっと吐き出して、
そして大きな声で泣き出します。

お母さんは、
「わかってやれなくてごめんね」
と言い、抱きしめます。

実はこれ、不登校の現場ではよくあることなんですよね。

このシーンを見て、私もウルっと来てしまいました。

担任の無理解とお母さんの理解

その後、担任の先生とお母さんとこころさんの3人で
家のリビングで話をするシーンがあるのですが、

先生はこころさんの話を聴く前に、
「いじめた子たちも悪いと思っているし、
話をすれば多分お互い分かり会えると思う」

と話し合いを提案します。

このシーンを見て、
「先生、そりゃないでしょ・・・」
と頭を押さえてしまいました。

こころさんは
「あの子たちは、怒られたから謝っているだけで、
心の底から悪いとも反省もしていない」
と返します。

先生が「いや一度話し合ってみないと・・・」と言いかけてきたところで、
お母さんの一言。

「先生、もういいです。
次来るときは学年主任か校長先生を
一緒に連れて来て下さい」

と一喝します。

この時、私は心の中でガッツポーズをしました。

お母さんもすごく自分と向き合って成長されたんだと感じます。

そこからお母さんとこころさんの関係がぐっと良くなっています。

最終的には学校に行ったけど・・・

最終的にはこころさんは学校に行きだします。

ちなみに、こころさんが不登校になったのは2006年の頃なので、
当時は学校に戻る以外の選択肢がほとんどなかった時代です。

だからこそ、最後には学校に行くという選択をしたんだと思います。

ただ、これは私の感覚ですが、
こころさんはおそらく「学校には行かない」という選択をすると思います。

その後で、喜多嶋先生やお母さんと相談しながら、
苦しいことを一つ一つ乗り越えていき、
通信制高校に行くという選択をするんじゃないのかなと予想しています。

じゃあ、「結局学校に行かないじゃんか」と思うかもしれません。

でもそれでいいんだと思います。

大切なのは「どう生きるか」

ここで考えたいのは、物語中盤でオオカミ様が、

「考えろ、それがお前たちの使命であり、権利だ」

と言っていたことです。

結局学校に行くかどうか、どういう人生を送るかは、
子どもたちの使命であり、権利なのです。

私は「学校に行かないことを選択する」と言いましたが、
物語の冒頭ではこころさんはこう言っています。

「お母さん、行かないんじゃなくて行けないんだよ」

「行けない」から「行かない」に変わると、これは選択です。

選択したということは次どうしたいかを決めて行くことが
できるようになったということ。

この映画は不登校を考える上で、
どう子どもたちの「考えるという権利」を支えていくことが出来るのか。

生きづらさを抱える人たちを支援していくヒントが
たくさん詰め込まれているのだと思いました。

まとめ

以上、こころさんの不登校を中心に
私なりの感じたことや考察を書かせていただきました。

でも、本当はもっと話したいことがたくさんあるんですよ。

例えば、
喜多嶋瀬先生やオオカミさまの正体とか、
孤城に集められた子のそれぞれのエピソードとか、
なんでアキさんはルーズソックスをはいていたのかとか。
(これ以上言うと、ネタバレになるので抑えておきます)

でも、この辺りはぜひ原作を読むか映画館で作品を見てください。

私はあまり映画を見ないのですが、
序盤からどんどんと引き込まれて行って、
いろんな伏線や謎が一気に回収される様子は圧巻でした。

終わった後は、余韻に浸ってしばらく立てませんでした。

不登校の子どもたちが抱えている苦しさも見えてくるし、
ラストは涙があふれるくらい心が温かくなる、そんな映画です。

素晴らしい映画を教えてくださったクライエントさんにも感謝です。

この記事を読まれて興味を持った方はぜひ見てくださいね。

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田中勝悟

田中勝悟

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不登校専門心理カウンセラー
カウンセリングルームはぴっと室長
臨床心理士 公認心理師 選択理論心理士
「3つのステップ」によって親子が成長していくことで、不登校をプラスに乗り越えることをサポートする専門家。生まれつき性格という観点から、親が子どもの理解が深まることを主眼においてカウンセリングを実施している。

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