この記事でわかること!!

  • 不登校の子どもへの関り方の基本がわかります。
  • お小遣いについての考え方が見えてきます。
  • お金を使っての教育の仕方が理解できます。
 
質問者

学校に行かなくなってから、毎日お金が欲しいと言ってきて困っているの

田中

そうなんですか?
お母さんはどう返しているんですか?

質問者
学校に行かないから渡さないって言っているんだけど、
そういうとすごく怒るんです。
 
田中
なるほど
 
質問者

確かにお小遣いは必要だと思うんですけど、
学校に行ってないし、家でゴロゴロしているだけなのにと思うと
お小遣いをカットした方がいいんじゃないかと思うんです。

田中
不登校の親あるあるの悩みですよね。
ちょっと今回は「お小遣い」についてお話をしていきましょう。
質問者
ええ?そうなの?じゃあ何が原因なんだろう?
 
田中
今から不登校の原因についてお話していきますね。
 

<こちらの動画もどうぞ>

 

 

 

お小遣いについて親がよく思うこと

不登校について、地味に出てくる話題が「お小遣い」です。

お母さんとしても学校に行っていないのに、
家でずっとゲームや動画ばかり見ていて、
それでいて「新しいゲームほしい」
「漫画買いたいからお小遣いちょうだい」と言われると、
イライラがMAXになります。

学校にも行っていないのに、
要求ばかりしてくる子どもに対して、
「もう子どもを見たくない」と仰るお母さんもおられます。

意外な話ですが、お小遣いを巡って気持ち不安定になる
お母さんは結構多いです。

お小遣いカットは必要?

不登校のお子さんに対して「お小遣いカット」を
考えてしまう方は結構おられます。

不登校・ひきこもり支援の専門家でも
「お小遣いを渡すべきではない」
といっている方は多いです。

理由は
「お小遣いを渡すと子どもがますます自立しなくなる。
家の中の居心地を悪くした方が家から出るようになるから」
です。

そういわれると、
「お小遣いをカットしなければいけない、
渡してはいけなのではないか?」
と言う気持ちが当然出てきます。

これに対して、田中の回答は
親子関係のレベルと、
子どもの状態・性格を踏まえた上で考えていくべきだ
ということです。

実際にお小遣いカットをしたらどうなるのか?

ここからは実際の事例です。

小学校5年生のA君は、不登校になってから、
ご両親に「学校に行くまではお小遣いはなし」と言われました。

しかし、A君は学校に行くことはありません。

でも、欲しいゲームや漫画はたくさんあります。

それができないので、スマホを使って
無料ゲームや無料漫画を読みながら日中を潰しました。

最近の時代の変化で、
YouTubeやTIKTOKなどスマホやパソコンが
あれば無料で出来るものはたくさんあります。

次第に日中ゲームや動画ばかりして過ごすようになりました。

それに痺れを切らしたお母さんはスマホを取り上げ、
「そんなんばかりするなら家には置いておけない」
と言いました。

A君はどうしたかと言うと、しばらく無気力になって、
毎日ごろごろして過ごします。

ある日、A君はお母さんの財布からお金を盗んでしまい、
フラッと遊びに出かけました。

もちろん、ご両親にはばれてきつく怒られました。

その後、A君の盗み癖はさらにエスカレートしてしまい、
お母さんやお父さんの目を盗んでは、
財布からお金を取り出し、
その金額も段々とエスカレートします。

お父さんがきつく怒ると、
A君は家の中で暴れてしまい、
警察を呼ぶほどの騒ぎとなりました。

ご両親は何度もお金を盗もうとするA君のことで、
児童相談所に一時保護をお願いしようか本気で悩んでいます。

 

子どもを追い詰めるデメリット

上のケースはよくある話です。

一体何が悪かったのでしょうか?

お小遣いカットをしなかったから
A君の盗み癖といった問題行動は悪化したのでしょうか?

結論を言えば、
お小遣いをあげなかったから
とかではありません。

ただ、強引にカットをし、
兵糧攻めのような形で子どもを追い込めようとすると、
子どもの問題行動はますます悪化します。

問題行動と言うと語弊があるのですが、
私たちは「幸せになるために行動を選択する」
という特徴があります。

なので、お金を盗むというという問題行動は、
見方を変えれば
「A君が今の状況から少しでも
良い方向に進むための適応行動」

とも言えます。

今苦しい状態から少しでもその苦痛を和らげたい。

それがゲームや漫画だったり、
お金を取ることで自身の欲を満たすことだったのです。

それを禁止されると、
ますます欲求が満たされなくなり、
お金を取るという行動がエスカレートしてしまったと
解釈できます。

このように子どもを追い詰める関り方をすると、
かえって問題行動(周りから見ての)が
エスカレートしてしまうことがよくあるのです。

お小遣いについて親が取り組んでほしいこと

では、ここからどういう風にすればいいのかを
お話したいと思います。

私が考えるのは、お小遣いは
学校に行っている時と
同じようにすればいいということです。

例えば、同じ学校に行かなかったとしても、
もしそれが怪我でしばらく行けなかったとしたら
罰としてお小遣いカットをするでしょうか?

不登校は単なる怠けや甘えで怒るものではありません。

むしろサボれる子であれば、
適当に力を抜いて学校に行けるはずです。

それができない子が不登校を選択します。

で、ここからですが、
まずお母さんやお父さんに取り組んでほしいことは、
「この子は実は学校に行けなくて苦しんでいるのではないか」
という視点で見てほしいということ。

要は子どもを
「不登校という視点から理解し直す」ということです。

お小遣いはいつも通り渡して、まずは
「なぜ学校に行けないか」を理解し直す
という作業をしていくことが先決となります。

コントロールの手段としてのお小遣いはNG

よく聞くのが、
「今日学校に行ったら1日100円上げる」
「行かなかったら100円取り上げる」
といったように、

学校に行ったかどうかで
お小遣いを決めるというやり方。

これは非常にまずいやり方です。

選択理論心理学では
人間関係を悪化させる関わり方として
「7つの致命的な習慣」というのがあります。

その中に
「罰する」
「言うことをきかそうとして褒美で釣る」
というのがあります。

もし、お小遣いが
子どもをコントロールするための手段として使われてしまうと、
次第に子どもはお小遣いを欲しがらなくなり、
そして学校に行かなくなります。

親にコントロールされているという状況が苦痛に感じるからです。

また行かなくなるだけならいいのですが、
親子関係が逆転してしまうと
「1000円くれたら学校に行く」と
要求がエスカレートしてしまう場合があります。

そして親が「それは無理」と断ると
暴力に発展してしまうこともあります。

こうなってしまった原因は
親子の信頼関係が完全に崩れたからです。

そのため、お小遣いを使って
子どもをコントロールしようとすることは、
極力しない方がいいと考えています。

対話ができる関係を目指そう

まず取り組みたいことは、
親子で対話がしっかりとできる関係
を目指すということです。

このブログを読んでいる方で、
すでにお小遣いのことで子どもと揉めている状態の
お母さん、お父さんがいたら、

最初に取り組んでほしいのは
「子どもがなぜお金を求めているのか」
という思いをしっかりと聴いて、理解することです。

もし、難しいのであれば、しばらくは距離を置いて
(実際に親が家を出た方がいい場合もあります)
冷却期間を置くのもいいかもしれません。

ただ、基本的なスタンスは
「子どもの幸せを願うこと」です。

そして、その幸せは
「自分で得られるようになること」
です。

で、基本的なスタンスは


  1. 子どもの気持ちを理解し直す
    (苦しかったのではないかという視点で見てみる)
  2. その中で、子どもがお小遣いを欲する意味を考えてみる
  3. そのスタンスで子どもと話し合い、妥協点を見つけていく

 

この時にしない方がいいのは
「罰を与えている」という感覚を
子どもに与えないことです。

それよりもどうすればこの子が幸せに自立した
人生を歩めるようになるのかと言う視点
親も向き合うということが大切ではないかと思います。

まとめ

この記事のまとめです。


  • 子どものお小遣い問題で悩むお母さん、お父さんは意外と多い。
  • 罰や褒美としてお小遣いを考えると、余計に学校に行く気力を失くしたり、親子の逆転現象になって要求がエスカレートする
  • 大事なのはお小遣いではなく、どう子どもが幸せに生きられるかと言う視点で向き合う、対話するという視点

私たちはともすると「こうすればいい」と言うノウハウに
飛びついてしまいます。

しかし「こうすればこうなる」という楽な方法ほど、
危険なものはありません。

やはり基本の「子どもとどう向き合うか」を
丁寧にしていくことが大事ではないかと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

 

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田中勝悟

田中勝悟

写真をクリックするとプロフィールへジャンプ

不登校専門心理カウンセラー
カウンセリングルームはぴっと室長
臨床心理士 公認心理師 選択理論心理士
「3つのステップ」によって親子が成長していくことで、不登校をプラスに乗り越えることをサポートする専門家。生まれつき性格という観点から、親が子どもの理解が深まることを主眼においてカウンセリングを実施している。

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