いつも読んでいただいてありがとうございます。
不登校専門心理カウンセラーの田中です。

よく、
 「親の方から『これしたら?』といっても
『嫌だ』『したくない』しか言わない。
こんなことで生きる力が育つのでしょうか?
という質問を受けます。

お父さん、お母さんも子どものことを考えて、
フリースクールや不登校支援センターといった
情報を集めたり、いろいろと提案したりします。

そのために、いろんな本を読んだり、
セミナーに参加したり、市の情報誌を集めたり、
ネットで検索したり、すごく努力しています。

でもそれを子どもに提案しても、
「イヤだ」「したくない」「無理」と言われると、
親としてもすべて否定されたような気持になります。

そんなときの処方箋についてお話しさせていただきます。

否定される経験は親にとってもつらい

確かに何でも「イヤ」「したくない」「無理」と言われると、
親の方もかなり凹みます。

親としても無力感が一杯となってしまって、
もう何もしたくないという
気持ちになってしまうのは当然です。

下手すると、
心療内科に通ってしまうお母さんも少なくありません。

それくらい一生懸命やったのに否定されたというのは、
子どもだけではなく親にとってもつらいのです。

〇〇を変えてみることも一つの手

じゃあ、この場合どうすればいいのでしょうか?

この場合は、
考え方を変えてみよう
とするのが正解だと言えます。

 

例えば、
「イヤ」とか「したくない」という言葉は、
ネガティブにとらえれば親を否定しているように見えます。

しかし、ポジティブに見れば、
「自分の気持ちを大事にしている」
とも取れるのです。

 

不登校の子どもは自分を出しにくい子が多い

実は不登校の子の多くは、
自分の気持ちを出したいのに、
その心を押し殺して生きてきた子が多いのです。

なぜなら、非常に繊細な心を持っているので、
周りの意見や考え、雰囲気にのまれてしまい、
心がグチャグチャになってしまいます。

で、わからないうちに、流されてしまい、
つい「わかった」と言ってしまうのです。

その後、後になって、
「何で嫌なのにわかったっていったんだろう?」と
悩んでしまいます。

「イヤだったらイヤと言えばいいじゃない」
と言われる方も多いですが、
それが最初から上手にできるのなら
不登校にはなっていません。

逆に言えば、
上手に自分の気持ちを出せるようになることが、
「幸せに生きる力」を身に着けるために
大事なことであると考えられます。

「イヤ」は自分らしさを出す一歩

そんな子が、初めて親からの提案を
「嫌だ」「したくない」と抵抗できるというのは、
とてもすごいことなのです。

で、ここで大事なのですが、
この「嫌だ」「したくない」という気持ちを
尊重していくと、だんだんと「したい」が出てきます。

つまり、自分の気持ちを大事にしてくれたから、
「あ、自分がしたいということを出してもいいんだ」
ということにつながっていくのです。

実はこれが「生きる力」につながります。

逆説的ですが、
「嫌だ」と言えることで初めて、
「こういう風に行きたい」ということが
いえるようになってくるのです。

「イヤ」「したくない」と言えることが、
実は自分らしさを作り出すためのだ一歩となります。

イヤが言えたことで学校に行きだした事例

ここである事例を紹介したいと思います。

Aさんは学校の中では自分の意見を極力言わないように過ごしていて、
そのため先生からも親からも「おとなしい子」だと言われていました。

中1の時に急に「無理、学校に行きたくない」と言い出します。

最初はお母さんもワケが分からなくて、
「何言っているの?学校に行きなさい!」と叱りました。

Aさんは泣きながら学校に行くのですが、
次の日から布団から起きようとせず、
お母さんが声をかけると
「うるさい!!」と大声で怒鳴るようになります。

お母さんはいろいろと調べ、
フリースクールや適応指導教室を見つけ、
Aさんに進めたりしていました。

でもAさんは
「イヤだ」「行かない」「無理」を繰り返します。

その頃にお母さんは私のサイトを見つけ、
不登校解決カウンセリングを受けるようになり、
Aさんの気質や理解の仕方を学びます。

すると、お母さんの中で
Aさんの辛さがだんだんと理解できるようになり、
少しずつ「嫌だ」の意味が分かるようになってきました。

実は、Aさん、生まれて初めて
「嫌だ」と心から言っていたんです。

でも、初めてのことだから、
やり方がわからず、
体全体でしか表現できなかったんですよね。

それが腑に落ちるようになってから、
お母さんもAさんの「イヤ」を受け止めるようになりました。

するとある日、
Aさんが「少しずつでいいから頑張りたいな」と
言い出すようになりました。

そこから保健室登校から始めていき、
今は週の半分くらいは教室の中で過ごすようになってきています。

子どものイヤは親が成長するチャンス

さて、このケースではAさんに焦点を当てましたが、
実はお母さんやお父さんも大きく変化しているのです。

それは、お母さんはどちらかというと、
決めつけて行動するタイプの方でした。

でもAさんの「イヤ」を通して、
少しずつAさんの心の中にあるものを
イメージしながら考えていくようになったのです。

結果として、お母さん自身も
「あ、言葉ではこういっているけど、
本心ではどう思っているんだろう?」

と食い込んで考えられるようになりました。

Aさんの「イヤ」を通して、
お母さん自身も大きく成長されたのです。

このように不登校は親の成長のチャンスでもあります。

ぜひ、そうした広い視点で捉えていただければ幸いです。

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田中勝悟

田中勝悟

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不登校専門心理カウンセラー
カウンセリングルームはぴっと室長
臨床心理士 公認心理師 選択理論心理士
「3つのステップ」によって親子が成長していくことで、不登校をプラスに乗り越えることをサポートする専門家。生まれつき性格という観点から、親が子どもの理解が深まることを主眼においてカウンセリングを実施している。

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