子どもが不登校になって本当に苦しいし、
周りからもいろいろ言われてしまうの
言われてるみたいで、泣きそうになるの
え?そうなの?
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目次
動画でもお話ししています。
母親の育て方が不登校の原因となった背景
「なぜ不登校になったのか」と犯人捜しをしていくと、
親の育て方が悪かったから・・・
という考えに至ってしまうことが多々あります。
カウンセラーの中には
「親子関係が不登校の原因だ」
と言う人もいるくらいです。
専門的な話ですが、
1941年にアメリカのA.M.ジョンソンが
「学校恐怖症」についての論文があります。
その後、
「不登校は=母子分離不安症が原因である」
という見方が精神科医や心理学者の間で
浸透するようになりました。
それを導入した日本のカウンセラーや精神科医も
「不登校は母子関係に起因する」
という見方が一般的だった時期があります。
後は、「学校には行くべきだ」と
言う価値観がかなり浸透していることも大きいですね。
そうなると、学校に行けない子は「おかしい子」となり、
なぜそういう子が生まれたのかと言えば、
「家庭環境に問題があるのでは」と
考えてしまいやすい土壌が日本にはあるのではないか
と私は考えています。
不登校の原因が親の育て方ではない5つの理由
しかし、私は
不登校は親の関わり方や育て方、
親子関係が原因であるとは考えていません。
そもそも、理想通り、
完全に正解と言える育て方ができる親
なんて一人としていません。
この記事を読んでいる、お父さんやお母さんも、
ご自身のご両親との関係を振り返ると、
悲しくなったり、落ち込んだりする
エピソードがあるのではないでしょうか?
その中で「親は親」「子どもは子ども」
と分けて考えられるようになることで、
心身ともに成長していくものではないかと思います。
さて、次に私が不登校は育て方が原因ではない
と考える5つの理由についてお話をしていきます。
1)不登校の原因は子ども自身にあるから
そもそも、不登校の一番の原因は、
子どもと学校が合わないことです。
個人差はありますが、
学校と言うシステムに全くなじまない
子どもは一定数存在します。
これは育てられ方と言うよりも、
子ども自身が持っている個性や才能に
よるところが大きいです。
その個性を学校の中で伸ばすことができなくなったときに、
心がつぶれてしまい、そしてその心を守るために、
子どもは不登校を選択するのです。
そのため、
これは子育てが原因であるとは言えないのではないかと思います。
2)子育てが原因ならもっと不登校は増えているから
あと、子育てが原因であれば、
不登校はもっと増えているはずです。
先ほどお話した通り、
100%正しい子育てができている親なんて一人もいません。
また、子育てが原因であれば、
虐待を受けている子どもの多くは不登校になっています。
ちなみに、虐待の一時保護をする場所は
学校が一番多いです。
それから、家庭環境に問題がない子、
夫婦仲が良好な家庭の子も不登校になるケースが多いです。
ちなみに、不登校になってから親子関係が悪化したり、
お母さんが一気に崩れてしまうことが多々あります。
お子さんが不登校になって夫婦げんかが増えたり、
お母さんも毎日泣いたり、
感情がコントロールできなくなってしまった経験は
あるかと思います。
そうした様子を見てしまうと、
「不登校は親子関係にあるのでは?」と
思ってしまう気持ちはなんとなくわかります。
しかし、不登校になる前からそうだったと
言うわけではないケースがほとんどなので、
やはり子育てや親の在り方が原因とはあまり思えないのです。
3)ご両親も一生懸命愛情を注いできたから
また、不登校の原因は「親の愛情不足」
といった意見も聴きますが、
じゃあネグレクト(育児放棄)の子が
学校に行けてないかと言うと、そういうわけではありません。
夫婦共働きで親が家にほとんどいなかったとしても、
学校に行っている子はたくさんいます。
また、不登校のお父さんやお母さんの多くは
子どもに愛情深く関わってくれています。
子どものことを理解しようと、
そして将来のことを一生懸命心配してくれています。
ただ、それが思うようにいかなくなって、
子どもの未来に対しての不安が一杯いっぱいに
なってしまったときに、
子どもに不安をぶつけてしまうこともあります。
でも、そうした関りがダメだったと、
後になって本気で後悔している
お父さん、お母さんも多いのです。
多くのお母さん、お父さんは子どものことで気に病んでいて、
本気で向き合っています。
それって愛情不足だって言えるでしょうか?
ただ、愛情の伝え方が
不登校の子どもに合っていない
だけなのかもしれません。
4)過去を変えることができないから
よく、お子さんが
「親のせいで自分はこんなに苦しんでいる」
と訴えることがあります。
あの時にこうしてくれなかったから
無理やりいう事を聞かせれてきた
自分は従うしかなかった
もっと話を聴いてほしかったなどなど。
また、
学校のせいで・・・
あの子がいたせいで・・・
先生があの時ちゃんとしていなかったから・・・
という思いもあると思います。
しかし、ここで大事な視点があります。
それは
「過去を変えることはできない」
ということです。
大事なのは未来をどう作り上げていくのか。
そのために、お母さんも、お父さんも、
子どももできることは何があるのか。
もちろん、子どものことに耳を貸すなと言うわけではありません。
ただ、子どもがそう言ってくるということは、
親子でどう未来を切り開くかと言うチャンスでもあるのです。
確かに、そうした親の対応が原因だった可能性は否定できません。
でも、それを原因だと思っても解決はしません。
未来に希望があるからこそ、
私は「不登校は育て方が原因ではない」とお伝えしています。
だから、過去にとらわれないでください。
それが不登校解決の第一歩なのです。
5)親が変われば子どもは変わっていくから
最後に、親が変われば子どもは必ず変わります。
人間関係とは一種のシステムのようなもので、
子どもに合っていない関り方をすれば、
子どもは親を避けるか、守るために攻撃的になってしまいます。
しかし、子どもに合う関わり方ができるようになれば、
子どもは避けたり、攻撃的なったりと言った
行動をする必要はなくなっていきます。
そうなると、自然と親子関係のシステムが
良い方向に変わっていきます。
不登校は家族システムを良くするためのチャンスでもあるのです。
原因に向けるのは辞めましょう。
そう思っているだけでは不登校は解決しません。
未来に目を向けて、
そして親子関係が良くなるためには
どうすればいいのかを考えてみてください。
不登校の解決には親の関りを変えることが必要
「不登校と子育てには関係がない」と言ってきましたが、
これはあくまで不登校になるまでの話です。
ひきこもりが何年も続いている、
最近罵倒するようになった、
会話がなくなった・・・・
など、お子さんの状態が悪化していたとすれば、
それはお母さんやお父さんの関わり方に要因があります。
不登校そのものの原因ではないものの、
悪化や維持してしまう要因として、
親子関係は結構大きな影響を与えているのです。
だからこそ、
子どもの状態を理解することから始めていき、
その上で子どもに合った
関わり方・距離感を見つけてみてください。
そこでお子さんとの関係が良い方向に行きだしたとしたら、
それは子どもに合った関わり方であると言えます。
それをもっと改善していくこが、不登校解決の方法なのです。
まとめ
この記事のまとめです。
まずは、お子さんのことを理解することから始めてみましょう。
どんなお子さんでしょうか?
そこがはっきり見えてくると、
親の自己理解も深まっていき、
親子関係が改善されていくようになります。
そこからが本当の不登校支援の第一歩となるのです。
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