この記事でわかること!!

  • 正しく子どもを「見守る」ことができます。
  • 適切な充電のポイントがわかるようになります。
  • 子どもを元気にさせるコツがつかめるようになります。

充電期間という言葉の落とし穴

お子さんが不登校になったときに、
医師やカウンセラーに相談すると
 「お子さんは今は充電期間だから、
何も言わないように」

といわれることが多いです。

で、お父さん、お母さんは素直に
「そっか、何も言ってはいけないんだ」と思って、
「見守る」という姿勢を取ろうとします。

しかし、子どもは一向に変わらず、
ずっとゲームや漫画に没頭してしまったり、
段々と生気がなくなったり、
むしろ悪化しているように見えることも少なくありません。

そして段々と家族の会話もなくなり、
気づけば1日に15時間くらい スマホから手を離さなくなっている、
そんなケースもあります。 

充電期間という言葉を真に受けてしまうと、
上記の状態に陥ることはよくあるのです。

 

「充電」という言葉を正しく理解しよう

ここで「充電」という言葉の意味を正しく理解することが必要です。

充電というとどんな状態をイメージされますか?

 

そうですね。

スマホを充電器にさして 電源とつながっている状態を
皆さんイメージされると思います。

じゃあ、聴きますが、

スマホをテーブルの上において見守るだけで
充電ができる可能性はどれくらいでしょうか?

馬鹿にするなと言われそうですが、0です。

テーブルに置いただけで充電できることなんてなく、
その間もスマホの電池はどんどん減っていきます。

何が言いたいかと言うと、充電期間とは
「子どものエネルギーが しっかりと充電できる状態を作ること」
だということです。

子どもをそっとしている「だけ」の状態では
充電はできないでしょう。

テーブルに置いたスマホと同じように
放電しっぱなしの状態でしかありません。

これだと子どもが何かチャレンジしていく
エネルギーなんて溜まるわけがないのです。  

ずっとゲームや昼夜逆転している子どもの気持ちとは?

不登校が長期化・悪化しているケースの多くは、
しっかりと充電ができていないことが多いです。

さて、なぜ充電が上手にできていないのでしょう。

その理由として、不登校のお子さんの多くは
「学校に行けないこと」に対して
大きな罪悪感や絶望感を抱いています。

「学校に行けない自分はもうダメだ」
と思っているわけです。

でも、その気持ちを親や学校の先生に 話すには勇気がいることです。

なぜかと言うと、そんなことを言うと
「じゃあ学校に行けばいいじゃないか」
と言われるからです。

「いやいや、行きたくても行けないんだよ」

その中で自責の念を一人抱えていて、
それに対処できないからゲームをしたり、
スマホで動画を見たりして一日を逃げるように過ごしています。

※もちろん、そういう風に言ってしまう
お母さんや学校の先生を責める気はないです。
子どもへの愛情から、 その言葉を投げかける気持ちはよくわかります。

ここではこういう心理状態があるんだと
頭の片隅に置いて頂ければOKです。

 

これって充電期間ですか?

で、お聞きします。

いつも自責の念に駆れていて、
もやもやした思いを一人抱え込みながら、
ずっとゲームやスマホに逃げ続けているような状態。

横から見れば、一日中ゲームや動画をしたり、
だらだらとしているように見えます。

でも、これって充電していると言えるでしょうか?

私はこれは「放電」だと思っています。

だから、エネルギーが溜まらないから
1年、2年経っても変化が現れないのです。

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充電をしていくために必要なこととは?

不登校の子どもの場合、
電源につなげようとしても全然繋がらない状態です。

それで今の状態をキープするけれど、
それは放電でしかありません。

となると、まずは電源に
しっかりとつなげるということが必要なはずです。

そのためには、子ども自身が
「電源につながっても大丈夫」
と 思えるようになることが大事だということです。

そのためには、 親自身が
子どもの気持ちを 理解することが第一歩となります。

「お父さん、お母さんは私のことを
わかろうと頑張ってくれている」

と感じるようになると、
「コンセントを電源に指しても大丈夫かな」
と思えるようになってきます。

そこからが本当の充電期間になります。

私のカウンセリングではお母さん、
お父さんが 子どものことを理解できるようにしています。

それだけで子どもが大きく改善していきます。

ひきこもりから通信制高校に行くようになった事例

ここで事例を紹介します。 ちなみに、実際のケースをいくつか組み合わせた架空のケースです。

あるお子さんは、中学3年生の頃に不登校になり、
ずっとゲームや動画ばかりをみるようになりました。

受験も近かったので、 焦ったお母さんは事あるごとに
「いつもゲームばかりして!!」 と注意するようになりました。

お母さんの親としても気持ち、とてもよくわかります。

傍目で見るとゲームばかりして
ダラダラしているように見えるのです。

しかし、その子は段々と部屋からでなくなり、
食事は家族が寝静まった時に
台所でカップラーメンを作るようになりました。

お風呂も家族がいないときにしており、
昼夜逆転となりました。

完全にひきこもり状態となったのです。

その後、専門家に相談すると
「充電期間だから」ということで見守ることにしたのですが、
1年経っても変化はなく、 お風呂も入らなくなるなど悪化しつつあります。

その状態を見かねたお母さんが 私のところにカウンセリングに来られました。

私がやったことは、お子さんがダラダラしていたのは、
「そうするしかできないほど辛かったんだ」
ということをお母さんに理解してもらうことでした。

そして、時間を掛けて、お子さんがどんな気持ちかを一緒に考え、
そして日常生活で検証するように促しました。

おそらく、家の中が怖くなっているので、
まずは家の中を快適にすることを意識して 過ごすようにしました。

後は、お母さんが子どもに目を向けすぎると お互いにしんどくなるので、
お母さん自身も外に出て子どものことを 考えない時間も作りました。

お母さんも「まずは元気に生きてくれたらいい」と 仰っていたので、
私も 「そうですね、まずはお子さんが 元気になるようにしましょう」 と伝えました。

そういう取り組みをして、
1年後・・・ 子どもが部屋から出るようになったのです。

その頃には、お母さんもやっと部屋から 出れるようになった
お子さんの気持ちが理解できていたので、
リビングでダラダラ過ごすお子さんを受け止めることができました。

そうして少しずつお子さんとの関係を改善していった結果、
今は通信制高校で頑張って勉強をしてると聞いています。

本当の心の充電とは?

本当の充電期間とは、

「人間関係を通して、
プラスのエネルギーを入れていくこと」

だと思っています。

そのためには、親が子どもを理解し続けること。

その中で子どもは安心して充電できるようになり、
少しずつ前に出ていけるようになります。

前に出ていくことで、
「できた!!」と自己肯定感が増します。

それが新たな充電となります。

ちなみに、上記の事例では、
私の方から「こういう風にして」と 助言していません。

あくまで子どもをどう理解するかを中心に進めました。

すると、お母さんの方で「こうしてみます」と
ご自身で考えていくことが増えてきました。

子どもに対してどう関わればいいかを一番知っているのは、
「その子のご両親」です。

お子さんと真剣に向き合って出てきた答えほど、
効果的なものはありません。

まとめ

この記事のまとめです。

  • 充電期間を鵜呑みにすると不登校は悪化、長期化する
  • 一年経っても変化がない場合、「放電期間」になっていないかを考えてみること
  • 充電できるようになるためには、親が子どもを理解し続け、家の中で過ごしやすい環境を作ることが大切

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田中勝悟

田中勝悟

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不登校専門心理カウンセラー
カウンセリングルームはぴっと室長
臨床心理士 公認心理師 選択理論心理士
「3つのステップ」によって親子が成長していくことで、不登校をプラスに乗り越えることをサポートする専門家。生まれつき性格という観点から、親が子どもの理解が深まることを主眼においてカウンセリングを実施している。

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