ゴールデンウィーク明けに急増する不登校。
実はその背景には、4月からの積み重ねによる心と体の限界があります。
本記事では、子どもが学校に行けなくなる本当の理由と、
悪化させるNG対応、そして親としてできる正しい関わり方を、
田中の視点から解説します。
焦る前に「理解する」ことから始めましょう。
目次
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GW明けに突然…実は「限界」はすでに始まっている
「4月までは普通に登校していたのに、
GW明けから急に行けなくなった」
そんな相談が、実は毎年この時期に非常に多く寄せられます。
・朝「お腹が痛い」「頭が痛い」と訴える
・起きようとしても体が動かない
・「行きたくない」と泣きながら訴える
親としては「なぜ?昨日までは元気だったのに」と戸惑い、
焦る気持ちが湧いてくることでしょう。
でも、子どもの心の中では4月からずっと、
「しんどいな」「つらいな」という気持ちが積もっていたのです。
それでも頑張って何とか学校に行き続けます。
中には頭痛や普通や腹痛を訴えながら
学校に行き続けた子もいます。
そうした子がGWでの「休み」の中で、
今までの緊張の糸が切れてしまい、
もう頑張ることができなくなった――。
これが、GW明け不登校のメカニズムの一つです。
その心の背景には、
「もう無理だ」「これ以上頑張りたくない」
「自分の心を壊したくない・・・」
そんな子どもたちの心の叫びがあります。
不登校は突然ではない――心と体が出すSOSのサインとは
不登校は「突然」起きたように見えますが、実際は前兆があります。
4月から以下のような変化が出ていたら、それは“心の限界サイン”かもしれません。
・朝なかなか起きられない
・表情が硬く、笑顔が減った
・帰宅後ベッドで長時間寝ている
・家ではゲーム漬け、口数も減っている
・学校の話を避ける
これらはエネルギー切れの状態であり、
身体や行動でしか訴えられない子どもなりのSOSです。
実はGWの前、4月の中旬の時点で限界を迎えていた・・・
なんてことも少なくはありません。
ただ、周りの大人は
・甘えている
・怠けている
と思ってしまって、こうした子どものSOSを見逃してしまいます。
「GW明けに不登校になった」のではなく、
実はそうしたサインがすでにあったということを
知っておくことが何よりも大事なのです。
不登校になりやすい3つの原因
実は、不登校にはしっかりと原因があります。
それは次の3つです。
1.独特の 感受性・繊細さを持っている
2. 思春期になって自分らしさが出てくる
3. 学校の中で自分らしく成長することができない
この3つの原因が全てそろっていると、
学校の中で苦しさを感じるようになり、
それが限界を迎えてしまって「行けない」という形で、
サインを出すようになります。
下記の記事にて詳しく書いているので、
もっと知りたい方はクリックしてください。
こうした3つの原因が備わっていると、
子どもは知らず知らずのうちにしんどさを感じるようになります。
大体、小5~中2の思春期の時期に、
しんどさを感じるようになることが多いです。
そして4月まではそのしんどさを何とかごまかして
学校に行っていたものの、
GW明けに一気に爆発して行けなくなってしまいます。
もし、お子さんが不登校になった場合、
上記の3つの原因に沿って、
理解をし直してみると良いでしょう。
やってはいけないNG対応 ~逆効果になる関わり~
親が「早く学校に戻ってほしい」と思うのは自然なことです。
でも、次のような関わりは、むしろ不登校を悪化させてしまう可能性があります。
・車で無理やり学校へ連れて行く
・「甘えるな」「怠けてるだけ」と叱る
・「なんで行けないの?」「理由を言いなさい」と詰める
親としては「わが子のために」とつい言いたくなってしまう言葉です。
でもこれをしてしまった結果、
不登校がかえって悪化してしまい、
「子どもが全くしゃべってくれなくなった」
というケースもたくさん見てきました。
実は私自身もかつて同じような対応をしてしまい、
子どもから「もう会いたくない」と言われた経験があります。
なぜ悪化してしまうのでしょうか?
実は、子ども自身も「なぜ行けないのか分からない」ことが多いのです。
「行かなきゃいけないのはわかっているのに、
身体が言うことを聞かないんだよ」
「わからないけれど、学校に行ったら
自分が自分でなくなってしまう!
その気持ちを理解してほしいんだ」
「何で学校に行けと言うの?
あんなところに行っても意味がないのに」
上記は不登校の子どもたちの本音です。
そんな状態で周りから「なぜ行かないのか」と
問い詰められてしまうと、周りを信用できなくなります。
そうなると、自分を責めてしまい、ますます心を閉ざしてしまうようになります。
「正しい対応」とは?子ども理解から始まる親の役割
不登校の解決は「学校に戻すこと」ではありません。
まずは、
「子どもはなぜ“行けない”という選択をしたのか」
ここを理解することが出発点です。
私は不登校をネガティブなもの、悪いものとは考えていません。
次のように考えています。
「不登校は、子どもが命と心を守るために選んだ最善の手段である」
この視点に立つことで、
「どうすれば学校に戻せるか」ではなく、
「どうすればこの子が自分を取り戻していけるか」
という風に関わり方を変えていくことができます。
学校復帰は単なる手段でしかありません。
不登校解決のゴールは
親子の絆を通して、
子どもが自分らしく幸せに生きていく力を
身に着けていくこと
なのです。
そのための関わり方のポイントは次になります。
・子どもが元気になるまで“休むことを認める”
・「どうしたらこの子らしく過ごせるか」を一緒に考える
・親子で「その子に合った乗り越え方」を探していく
まずはその子の「何が苦しかったのか」を
理解していくことから始めていきましょう。
不登校は急に起こるものではなく、
その前からすでにその兆候があります。
その中で苦しさ、しんどさが爆発して、
学校に行くことができなくなったということ。
不登校になったということは
すでに心が限界だったということです。
このことを理解していくことが何よりも大事なことなのです。
その中で子どもが再度自分の足で立ち上がれるように、
どう支えていくのか、これが不登校解決のポイントなのです。
焦らないことが最大の支援 ~自己肯定感の回復がゴール~
不登校の親に最初に取り組んでいただきたいのは、
子どもをどう理解していくのかということです。
実は不登校になった時点の子どもたちのメンタルは
かなり悪化していることが多いのです。
それはGW前後に不登校になった場合も同じです。
そのため、親が焦らず、責めず、見守ること。
そして、「子どもを信じるまなざし」を持ち続けること。
それが、子どもの自己肯定感を育て、
最終的に「自らの力で前を向く力」へとつながります。
私ののカウンセリングでは、
最終的に「親が何もしなくても、子どもが自分から動き出す」ことを目指しています。
親が主役になるのではなく、子どもが主役として生きる力を取り戻していく――
それこそが本当の意味での不登校の解決なのです。
まとめ:GW明けこそ「理解」で支える。不登校はチャンスに変えられる
ゴールデンウィーク明けの不登校は、決して偶然ではありません。
それは、心と体がすでに限界に来ていた証拠。
・「なぜ行けないのか」を問い詰める前に
・「どうしてこの子はここまで頑張ったのか」に目を向けてみてください。
親としてできる最大の支援は、「正しく理解し、寄り添うこと」です。
焦らず、責めず、見守る――その姿勢が子どもの未来を変えていきます。
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