いつも読んでいただいてありがとうございます。不登校解決カウンセラーの田中勝悟です。
質問者うちの子、今どういう状態なんでしょうか。このままずっとこの状態が続くんじゃないかと不安になります。
田中そのお気持ち、よくわかります。実は、不登校には回復までの道のりに、ある程度共通した段階があります。今の状態がどの段階にあたるのかがわかると、見通しが立ちやすくなります。今回は、その7つの段階についてお話しします。
結論からお伝えすると、不登校の回復には、次の7つの段階があるといわれています。
第1段階:不登校の予兆期
第2段階:不登校開始期
第3段階:完全不登校期
第4段階:不登校定着期
第5段階:活動の再発期
第6段階:リハビリ期
第7段階:完全登校・社会復帰

私は不登校解決カウンセラーとして20年以上、不登校のご家庭と関わってきましたが、この7段階という見方は、実際のカウンセリングの現場感覚とも一致する部分が多くあります。
今回は、それぞれの段階でお子さんにどんな変化が起こるのか、そして親御さんがどう関わっていけばいいのかについて、お話ししていきます。
第1段階・第2段階:予兆期から不登校開始期
不登校は、始まる前から予兆があることが多いです。
例えば、学校を休みがちになる、頭痛や腹痛を訴える、ゲームに没頭する、家族との会話がなくなるなど。
この場合、不登校前の様子を見ると、「この子はすでに2〜3年前から学校に行くのがしんどかったんだ」とわかることも少なくありません。
ただ、子どもによってはある日急に「もう行かん」となる子もいて、予兆が全くなく始まることもあります。
第2段階の不登校開始期では、精神的に不安定になることも多いです。
「学校に行きたくない」「もう嫌だ」「人が怖い」となったり、実際に布団から出てこれなくなったりして、学校への拒否感がかなり出るようになります。
ご家庭によっては、この時期に何とかして学校に行かせようと奮闘した親御さんも多いのではないかと思います。
子どもも義務感や罪悪感から、「這ってでも学校に行かないと」と思って頑張って行こうとすることも多いです。
そうした親子の頑張りもあって、しばらくは別室に行ったり、遅刻早退、欠席を繰り返しながら学校には行こうとします。
しかし、ある日を境にして、いよいよ完全に行けなくなります。これが、第3段階の完全不登校期です。
第3段階:完全不登校期は「39度の熱」の状態
例えて言うならば、不登校の予兆期は風邪の引き始めのような段階です。
不登校開始期は風邪を引き出した段階で、その状態がこじれてしまって39度の熱が出ている状態が、第3段階の完全不登校期です。
そのため、完全不登校期のお子さんに対して学校や将来の話をすると、怒り出したり、パニックになったり、落ち込んだりして、話がなかなかできません。
将来のことを考えるためには、エネルギーがある程度回復していることが必要になります。
つまり、不登校の状態というのは、エネルギーが枯渇した状態で、全く動けない心理状態なのです。
子どもによっては日常生活を送ることも難しくなるため、昼夜逆転したり、お風呂に入れなくなる子もいます。
一方で、生活リズムは崩れない子もいたりして、完全不登校期の子どもの様子はさまざまです。
なお、この段階で一番お願いしたいことは、まずはゆっくりと過ごす、何もしないで過ごすということです。
例えるなら、39度の熱を出している状態なので、無理に動かすと余計にこじらせて悪化していきます。
安静にしている(この場合は家の中で安心して過ごす)と、だんだんとエネルギーが回復してきます。
第4段階:不登校定着期。一番長くなりやすい時期
39度の熱がだんだんと下がってきて、37.5度ぐらいになります。これが、第4段階の不登校定着期です。
このころになると、少しずつですが自分のことを考えられるほどの余裕が出てきます。
つまり、将来のことを考えるゆとりが出てきます。
また、このころになると少しずつですが外出することも増えてきます。
子どもによっては筋トレを始めたり、「暇だ」という言葉も増えてきます。家族以外の人との交流を持とうとする子もいます。
こういう変化を見ると、親としても「そろそろ学校を促してもいいんじゃないか」という気持ちが出てきます。
ここまで動けるんなら、学校には行けるのではないか、と。
実は、この不登校定着期の期間が一番長かったりします。
なので、焦らずに気長に見守ることが必要な時期です。
また、将来のことを考えて、「今の自分にはこれがいいんじゃないか」と考えたうえで、最終的に学校復帰を選ぼうとしない子もいます。
通信制高校に行って、そこでアルバイトをして、それから大学に行ったらいいかと考える子もいますし、自分なりに生きる術を見つけていく子もいます。
もちろん、学校復帰を考える子もいます。
第5段階・第6段階:活動の再発期からリハビリ期へ
そうした状態を経て、ようやく
第5段階「活動の再発期」、
第6段階「リハビリ期」、
第7段階「完全登校・社会復帰」
と歩き出していきます。
「活動の再発期」になると、自分から動き出そうと、フリースクールに行きだしたり、周りとの交流が活発になりだします。
ただ、この時期は不安定で、外に出てうまくいかないことがあると、すぐに第4段階の「不登校定着期」に戻ってしまって、しばらくは動けなくなるという子もいます。
私のカウンセリングの所感では、第4段階「不登校定着期」と第5段階「活動の再発期」を行ったり来たりするような印象があります。
その中で、ようやくエネルギーがたまってきて、安定していろんな活動ができるようになってきます。
これが、第6段階「リハビリ期」です。
いろいろと活発にいろんなことをする子もいれば、学校に戻る練習に入る子もいます。
フリースクールなどの居場所の友達との関わりを、思いっきり楽しむこともできます。
第7段階:完全登校・社会復帰。大切なのは「その子らしさ」
そして、その中で最後の第7段階「完全登校・社会復帰」につながります。
ただ、ここでも完全登校に至る子もいれば、学校は横に置いて、好きなことに没頭する子もいるようです。
第6段階までと大きく違うのは、将来について希望を持って行動できるというところです。
例えば、全く学校に行かなくても、「中学校卒業したらとりあえずバイトしてお金を稼ぎたい」という子もいます。
これも立派な将来の希望です。
「医者や弁護士になる」「大学に行く」だけが将来の夢ではありません。
「みんなと一緒に高校には行きたい」というのも、立派な夢であり目標なのです。
そのために、今自分ができることに取り組めているのか。
日々をその子らしく、楽しく生きていくことができるのか。
名称こそ「完全登校」となっていますが、私は、その子らしい生き方が実現できているかどうかが大事だと考えています。
その目安はやはり、子どもの笑顔や表情がどれだけ明るく生き生きとしているか、です。
そして、子どものエネルギーが充電するためには、何よりも「親子の絆」が深まっていることが前提になります。

まとめ
今回は、不登校の回復における7つの段階についてお話ししました。
今、お子さんがどの段階にいるのかを知ることが、焦らず見守るための助けになれば幸いです。



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