いつも読んでいただいてありがとうございます。不登校解決カウンセラーの田中勝悟です。
質問者不登校の子のことを、もう放っておきたい。何も考えたくない。そう思ってしまう自分はダメな親なんでしょうか。
田中そのお気持ち、当然のものです。不登校のお子さんを持つ親御さんなら、誰もが一度は感じるものだと思います。今回は、放置した結果どうなるのか、そしてその気持ちが出てきたときにどうすればいいのかをお話しします。
結論からお伝えすると、「もう放っておきたい」という気持ちは、不登校の親御さんにとってごく自然な心理反応です。
ただ、理解できないまま様子を見るだけの「放置」を続けてしまうと、お子さんの状態は悪化しやすくなります。
大事なのは、放置するかどうかではなく、この気持ちが出てきたときに親自身の心をどうケアするかです。
私は不登校解決カウンセラーとして20年以上、不登校支援に携わってきました。
今回は、不登校を放置するとどうなるのか、そして苦しいときに親ができる対処法について、お話ししていきます。
動画でもお話しています
「放っておきたい」と思うのは、当然の心理反応
この記事を読んでくださっているお父さん、お母さんは、本当にお子さんのために頑張っていると思います。
子どもがどうなってもいいと思っている親はいないでしょう。
多くの方が、セミナーに行ったり、本を読んだりして、一生懸命学んでいます。
でも、どうしても、日々の生活に全く変化がないお子さんを前にすると、親のメンタルも疲弊していきます。
子どものことなんてどうでもいい、もう何も言わずに放っておきたい、子どものことを考えたくない。
そう思ってしまうのは、それぐらい不登校という状況が、親も追い詰めてしまうからです。
ごく自然な心理反応です。
ここまで読んでくださっているだけで、十分に頑張ってこられたと思います。
そんな風に思ってしまう自分を、どうか責めないであげてください。
一方で、「不登校の子を放置しておいて、本当にいいのだろうか」という不安もあるはずです。
実際、「不登校を放置した末路」といった記事や動画はネット上にたくさんあり、それを見てさらに不安になってしまう方も少なくありません。
親としての責任と、将来への不安。
頑張れば頑張るほど空回りする中で、必死に耐えているお父さん、お母さんは本当に多いです。
そのしんどさは、周りにはなかなか伝わりにくいいので、さらに孤独感が強くなります。

「放置」とは、理解できないまま様子を見ること
そもそも、不登校における「放置」とはどういうことなのか。
それは、子どもの気持ちを理解できないまま、とりあえず様子を見ている状態のことです。
誤解されがちですが、不登校の子は「学校に行かなくて楽だ」とは思っていません。
学校に行かなければ勉強に遅れるし、進路にも支障が出る。
そんなことは、子どもたち自身が十分わかっています。
ある元不登校の方はこう話していました。
「学校に行けば解決するっていうのはわかっていた。
でも、そうすると自分が壊れるからできなかった」
今はイラストレーターとして自立していますが、当時は学校に行けない自分が苦しくて、毎日泣いている女の子の絵ばかりを描いていたそうです。
不登校の子が抱えている苦しさ、しんどさを、しっかりと理解していくこと。
これがとても大切です。
もう1つ大事なのが、その子の「生まれつき性格」を知ることです。
生まれつき性格がわかると、その子がどんな子で、どう関われば幸せになるのか、またメンタルがどうすれば回復するのかが見えてきます。
例えば、
口うるさく言わない方がいい子、
ある程度しっかりと伝えた方がいい子、
話を聞いた方がいい子、
放っておいた方がいい子、
褒めた方がいい子、
褒めるとかえって良くない子。
こうした違いは、家庭環境や親の育てられ方で決まるものではなく、生まれつき性格によって決まります。
私はこの生まれつき性格を、エニアグラムを応用した「キャラ診断」という形で分析しています。
この診断を通して、「だからこの子は不登校になったんだ」「これが苦しかったんだ」ということが、はっきりと見えてくるようになります。
キャラ診断についてはこちらも参照
理解できないまま放置すると、何が起こるのか
この「理解」ができないまま時間が過ぎていくと、どうなるのでしょうか。
これは決して、親御さんを責めるための話ではありません。
ただ、知っておいていただきたいので、お伝えします。
その子に合った対応ができないままだと、良かれと思ってやっていることが、かえって親子の溝を深めてしまうことがあります。
「褒めたらダメ」というタイプの子に、良かれと思ってどんどん褒めていく。
すると、子どもは「バカにしているのか」と感じて、ますます親を拒絶するようになる。
こうしたことが起こってしまいます。
不登校の原因は、親の育て方ではありません。
ただ、どう乗り越えていくかという点では、親子関係が良好であることが欠かせません。
不登校の子は、親に理解してもらえないと、前に進むエネルギーが湧き上がってこないのです。
つまり、理解できないまま放置してしまうと、子ども自身が前を向いて歩いていくことが、非常に難しくなってしまいます。
その結果、さらにゲームに没頭する、昼夜逆転が悪化する、メンタルが不安定な状態が続く、といったことが起こり、社会復帰もより難しくなっていきます。
そうした状態が続くと、不登校から引きこもり、ニートとなり、それが10年以上続いてしまうというケースも少なくありません。
私自身、このような状態になってしまった方に、これまでたくさんお会いしてきました。
中には、統合失調症やうつ病、双極性障害といった精神疾患を発症してしまった方もいます。
こうなると、さらに社会復帰が難しくなるという悪循環が起こってしまうのです。
厳しい話に聞こえたかもしれません。
でも、こうお伝えするのは、脅かしたいからではなく、「今気づけたこと自体が、お子さんにとって大きな意味を持つ」とお伝えしたいからです。
ここまで読んでくださっているあなたなら、きっと大丈夫です。
※気分の落ち込みが長く続く、眠れない、食欲がないなど、心身の不調が強く出ている場合は、放置せず早めに医療機関に相談することをお勧めします。
「もう無理」というときに、親ができること
とはいえ、「もうしんどい」「不登校のことから離れたい」「子どものことをもう考えたくない」。
そう思いたくなる気持ちも、本当によくわかります。
親子とはいえ、ずっと子どもと向き合い続けるのは、精神的にとても疲れますし、常に不登校のことを考えていると、頭がおかしくなりそうになりますよね。
そう感じるのは、それだけ真剣に向き合ってきた証拠でもあります。
そうしたときは、距離を置くということも、もちろん必要です。
ちなみに、厚生労働省は「乳幼児揺さぶられ症候群」(シェイキングベイビー)についての啓発で、こんな対処法を紹介しています。
赤ちゃんが泣き止まず、お母さんがいっぱいいっぱいになってしまったときは、まず赤ちゃんを安全な場所に寝かせて、親が落ち着くまで赤ちゃんから離れる。
赤ちゃんが心配だったら部屋の外で、鳴き声がうるさくてもう無理となったら、一旦家の外に出て、少し気持ちを落ち着けてからまた戻ってくる。
この方法を推奨しています。
ちなみに、厚生労働省の動画は下記からどうぞ!
親がいっぱいいっぱいになったときに、子どもから少し離れるというのは、不登校の子育てにおいても、同じように大事です。
あるお母さんは、お子さんが「学校に行く」と言っても、当日になると行かない、ということが繰り返されていました。
その状況にイライラしてしまい、「もう無理」と思って、そのまま仕事に出かけ、喫茶店でコーヒーを飲んだ後、1人カラオケに行って思いっきり歌を歌って発散したそうです。
すると、かなりすっきりでき、家に帰るとお子さんも落ち着いていて、今後どうしていくかを2人で落ち着いて話すことができた、とメールで報告してくれました。
子どもから離れて気分転換ができたからこそ、起きた変化です。
他にも、
- 親の会に行って他のお母さんと話す
- 1人でドライブに行く
- 美味しいランチを食べに行く
- エステやネイルに出かける
- ママ友とカフェに行く。
こうしたさまざまな方法で、お父さん、お母さんが自分の気持ちに余裕を持とうとされています。
どれも、特別なことではなく、ご自分を労わる小さな時間です。
放置はよくないけれど、放置したくなるくらい追い詰められてしまう、気持ちがいっぱいいっぱいになってしまう・・・そういうこともよくあることです。
そんな自分を責める必要はありません。
そういうときは、気軽に距離を置く、離れる。
少しすっきりしてから、また向き合っていく。
これも大事なことだと、私は思います。
まとめ
今回は、不登校を放置した場合にどうなるのか、そして親御さんが限界を迎えたときの対処法についてお話ししました。
ここまで読んでくださったこと自体が、お子さんを思う気持ちの表れだと思います。
どうかご自分を責めすぎず、一歩ずつ進んでいってくださいね。今回の内容が皆さんの参考になれば幸いです。



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