先日、「不登校オンライン」に掲載されていた、
各政党の不登校支援策に関するアンケート記事を読みました。
言葉の違いはあっても、多くの政党が
「不登校は重要なテーマだ」と認識してきたこと自体は、
ひとつの変化だと感じました。
ただ、読み進める中で強く思ったのは、
「どの支援策が良いか」という比較の前に、
そもそも 不登校という現象を、社会がどう捉えるべきか が
まだ揃っていないのではないか・・・ということでした。
そしてそれは、現場にいる親ほど、
日々の生活のなかで肌で感じているように思います。
今回の記事では、各政党の不登校支援への意識調査を基に、
私が考えていることをまとめました。
目次
親にとっての不登校は、「生活そのもの」の問題になる
まず、不登校は、親の生活も大きく揺さぶります。
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朝が来るのが怖くなる
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学校からの連絡に心臓が跳ねる
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仕事を休みがちになり、職場に居づらくなる
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収入やキャリアの不安が現実味を帯びてくる
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「自分の育て方が悪かったのか」と自分を責めてしまう
こういう状態のとき、親い必要なのは 今日を回す土台 を整えることです。
特に不当子初期の状態は
親の気力も情報収集力も落ちています。
その中で「わが子のために・・・」と頑張り続けてしまい、
結果として親も消耗し、家庭の空気もどんどんと悪くなってしまいます。
そのため、大事なことは、
不登校初期~中期での親が安定して子どもを支えられる
土台と安心感をどう整えるかが大事なのです。
不登校を何とかしないとという支援の限界
ここ数年、不登校は急増しています。
この現実を見たとき、
私は「不登校はかわいそうだから何とかしないと」という発想だけでは、
もう追いつかないと思うようになりました。
もちろん、困っている家庭を支えるのは大切です。
ただ、それと同時に、もう一つの視点が必要だと感じます。
それは、不登校の増加は、
子どもや家庭の問題というより、
教育行政の仕組みが今の時代に合わなくなってきたサイン
ではないか、という視点です。
「学校」という一つの枠組みに、制度も支援も集まりすぎていて、
そこから外れた瞬間に、子どもも親も社会もパニックになりやすい。
この構造そのものが、親子の苦しさを大きくしている気がします。
令和の義務教育の在り方を変えていくこと
本来、義務教育で保障したいのは、
「学校に行くこと」そのものではなく、
子どもが学ぶ権利が守られることのはずです。
でも現実には、
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学校に行けない=教育から外れてしまう感覚
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親が「何とか戻さなければ」と追い込まれる空気
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行けない期間が長くなるほど、制度の外側に取り残される感じ
が生まれやすい。
つまり親子が苦しいのは「不登校そのもの」だけでなく、
学校というレールから外れた時の“制度の弱さ”
も大きいと思うのです。
だからこそ、「学校に戻す/戻さない」以前に、
学校以外の学びや育ちが、制度として当たり前に接続される形が
必要になってきているのではないでしょうか。

親の現実から考える「政策への提言」
ここからは、親の立場として
「こんな支援があったら、どれだけ助かるだろうか」
という視点で、少し具体的に書いてみます。
不登校オンラインの記事を読んでいても、
政党を問わず、方向としては共通している部分が少なくありませんでした。
詳しくはこちらに書いています。
つまり、不登校の家庭が困っているポイント自体は、
政治家の中にでもかなり共有されてきているのだと思います。
あとはそれを、「制度としてどう形にするか」
「現場の運用まで届くか」が問われているのだと感じます。
1)不登校初期に“すぐつながる”相談窓口と伴走支援
不登校が始まった直後は、親も子も混乱しています。
この時期に一番困るのは、「何を、誰に、どこまで相談していいのか分からない」ことです。
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不登校初期にワンストップで相談できる公的窓口
(教育・福祉・医療・就労のたらい回しを防ぐ) -
学校とも家庭とも距離を保ちながら関われる第三者の伴走支援
(「こうしなさい」ではなく、状況整理を手伝う役割) -
親の疲弊や孤立を早期に拾い上げる仕組み
(子どもだけでなく、家庭全体を見てくれる視点)
この点は、この記事の中でも
「相談体制の整備」や「保護者支援」の重要性として、
複数の政党が触れていました。
「正しい対応」を教えるより、
一緒に考えてくれる人がいるという感覚が、親を支えます。
2)不登校を理由に、親が仕事を失わないための制度
不登校が続くと、親は仕事との両立が難しくなります。
実際には、制度がないために“事実上の離職”に
追い込まれるケースも少なくありません。
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不登校・長期欠席を理由に使える柔軟な休暇・休職制度
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テレワークや短時間勤務を選びやすくする企業への支援・インセンティブ
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親が一人で状況説明をしなくて済むような情報共有の仕組み
(学校・自治体・職場がつながる形)
記事でも「不登校離職」や保護者の負担に関する論点が出ていて、
対策の必要性は共有されていました。
私はここを、「家庭の努力」に任せず、
家庭が崩れないための予防的な社会投資
として位置づけてほしいと思います。
3)家から出られない時期を前提にした「学びの保障」(出席扱い・ICT・周知)
不登校の初期段階であればまず家から出ることが困難なことが多いです。
また、エネルギーが回復したとしても
「外に出ると崩れてしまうから出られない」と言う子も多いです。
「学びたい気持ちはあるけれど、家から出られない」
という時期が長く続く子どももいます。
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オンライン学習や家庭学習が、制度として出席扱いになる仕組み
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自治体ごとの判断に左右されない、全国共通の基準
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経済状況に関係なく使えるよう、ICT機器・通信費への公的支援
記事の中でも「ネット出席(出席扱い)」は大きなテーマになっていて、
複数の政党が前向きに触れていました。
ただ、親の目線で見ると、制度があるだけでは足りなくて、
周知されているか/使いやすいか/学校側が運用できるか
までがセットだと感じます。
「学校に来られない=何もしていない」という扱いを、
制度の側から変えていく必要があります。
4)フリースクールや多様な学びを“周辺”に置かない(公的助成・連携ルート)
学校以外の学びの場は、まだ「特別な選択肢」として扱われがちです。
その結果、家庭の経済力や住んでいる地域によって、
大きな差が生まれています。
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フリースクール等への公的助成の拡充
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学校・教育委員会と学びの場が対立しない公式な連携ルート
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親が「説明役」「交渉役」を担わなくて済む制度設計
記事の中でも、
フリースクール等への支援や学びの場の多様化に触れている政党がありました。
私はここを、「学校に戻れるまでのつなぎ」ではなく、
ひとつの正規ルートとして位置づける方向で
議論してほしいと思います。
5)「出席」だけに偏らない評価と進路の保障(評価・成績・見通し)
不登校の子どもと親が、長期的に不安になるのは
「このままで、将来どうなるのか分からない」ことです。
特に高校進学については出席が要件となることも多かったり、
そもそも学校教育法で帳簿の作成が義務付けられています。
そのため、学校側も出席を意識せざるを得ない状況となっています。
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出席日数だけに依存しない評価・進級・進学の仕組み
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不登校経験が不利にならない進路情報の提供
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中学卒業・高校進学を“線路”ではなく複線化して示す支援
記事の中では、出席扱いの議論とセットで
「成績評価」や学びの実績の扱いにも触れている政党がありました。
親にとっては、ここが整うほど、
子どもに「今は休んでも大丈夫」と伝えやすくなります。
先が少しでも見えると、親子の焦りや自己否定は、確実に減ります。

最後に:親が孤立しない社会にしていくために
不登校は、「誰かが悪いから起きる」出来事ではありません。
親も子も、今ある制度や環境の中で、
必死にやりくりしているだけのことが多い。
また、不登校が増えた結果、支援が必要だと思って
かえって不必要に税金が使われる状況は避けるべきです。
そうなると、子ども達が大人になった時に、
国が貧弱となってしまって、さらに苦労をさせてしまいます。
だからこそ私は政治に対して、
「不登校の家庭を助ける」という発想に加えて、
法に則りながら、時には柔軟に変えていきながら、
義務教育の形を整えていくことで
子ども達の生きていく力を伸ばせるような社会
にしてほしいという思いがあります。
要は単に家庭を支援するだけではなく、
費用対効果も考えながら国を良くしていくという発想で、
不登校を考えていってほしいのです。
そのためには、義務教育の在り方を見直していくということも
一つの在り方ではないかと思います。
親が一人で抱え込まなくていい。
仕事や生活を諦めなくていい。
子どもが「学校に行けない=終わり」にならない。
そんな当たり前を、制度として作っていく。
選挙は、その方向を社会が選び取る機会でもあるのだと思います。
【参考までに】各政党の不登校支援策 比較表
| 政党 | 親支援(離職防止・家計支援) | 相談窓口・初期支援 | 学びの保障(投資・多様性) | 特徴・傾向 |
| 自民党 | 不登校離職の防止を掲げるが、具体策は企業への働きかけ等が中心。 | 官民連携を推進。SSW(スクールソーシャルワーカー)の配置増など。 | 「学びの多様化学校」300校設置。公教育の枠内での多様化。 | 既存の法・制度をベースに「公的な受け皿」を堅実に増やす。 |
| 公明党 | 経済的負担軽減には前向き。自治体ごとのモデル事業を推進。 | 全ての市区町村に不登校支援センターの設置を目指す。 | 「誰一人取り残さない教育」。オンライン指導の出席扱い推進。 | 福祉的視点が強く、現場の細かな居場所づくりに熱心。 |
| 立憲民主党 | フリースクール利用家庭への**直接的な経済支援(月謝補助)**を検討。 | 専門家(公認心理師等)の学校配置と、家庭訪問の強化。 | 「学校復帰」を前提としない。個人の学習権を幅広く保障。 | 「個人の権利」を最優先。学校外での学びへの公金投入に積極的。 |
| 日本維新の会 | **教育バウチャー(利用券)**により、塾やフリースクールの費用を補助。 | 行政を通さず、利用者が支援先を選べる仕組みを重視。 | 競争原理による教育の質の向上。塾や習い事も学びの場と認定。 | 「投資効率」と「選択の自由」を最重視。最もドラスティック。 |
| 国民民主党 | **「教育国債」**による予算倍増。保護者への給付金拡充も視野。 | 相談窓口のワンストップ化と、デジタル相談の普及。 | オンライン教育の活用と、将来の就労支援との連携を強調。 | 教育を「未来への投資」と明言。経済政策としての教育支援。 |
| 日本共産党 | 学用品代や給食費の無償化など、家庭の経済負担を徹底排除。 | 「学校に行かない権利」を認め、無理な登校刺激を抑制。 | 1学級30人以下など、学校側の環境改善による根本解決。 | 既存の競争的教育への批判が強く、権利保障と学校改革が主。 |
| れいわ新選組 | 全ての子どもへの**「子ども手当」増額**。親の生活底上げを優先。 | 24時間体制の相談窓口や、シェルター的な居場所の確保。 | フリースクールの完全無償化。学びの場を徹底的に自由化。 | 「今困っている人の生存」を最優先。財政規律より給付を重視。 |



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