夏休み明けに息子が学校に行かなくなったの・・・
「何で行けないの?」ってきいたんだけど、
教えてくれなくて・・・
でも話してくれないの
え?そうなの?
目次
不登校の原因は子ども自身がわからない
実を言うと、
不登校の本当の原因や理由は子ども自身がわからないことが多いのです。
そのため、子ども自身も「何でいけないんだろう?」って
モヤモヤしながら苦しんでいるケースもたくさんいます。
ちなみに、ネットなどで不登校当事者の人が
「僕は○〇が原因で不登校になりました」
という記事を見かけることがあります。
しかし、不登校であった時に
それが言える人はかなり稀です。
大抵は自分自身と向き合いながら、
20歳を超えてあっと言語化できることが多いです。
それくらい子ども自身も原因や理由についてはっきり言えないのです。
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「なぜ学校に行かないの?」と言ってはいけない理由
よく不登校のノウハウ本で
「『なぜ学校に行かないの?』
とは言ってはいけない!」
と書いています。
そうした専門家の話をうのみにして、
言わないようにしている学校の先生や親は結構多いのです。
私も「なぜ行かないのと言ってはいけない!」と思っている方ですが、
その理由はちょっと違います。
私の場合は
「子ども自身がわからないんだから、
子どもが困るような質問はしない方がいい」
という考えに基づいています。
子ども自身が学校に行けない
原因をわかっていないから
聞かない方がいいいということです。
だから、「学校に行かない理由」を聴いても答えようもないし、
答えられない質問をすれば
子ども自身は追い詰められているような気持になります。
それはお子さんが不登校を乗り越える際の足かせになってしまいます。
もし聞くとしたら、大人の方で
「あなたはだから学校に行けなくなったんだよ」
とはっきりと言える時ぐらいでしょう。
そうでない限りは、聞いてもお互い困るだけなので、
なるべく聞かない方がいいです。
子ども自身が「わからない」理由とは?
よくいじめや人間関係、教師の体罰で
「不登校になった」というニュースがありますが、
そうしたことが原因で不登校になるケースは稀です。
もし、原因があればそれを取り除ければ学校に行けるはずですが、
原因に対処しても学校に行けない状態が続くということもあります。
多くは子ども自身がわかっていないのです。
なぜわからないかというと、
不登校の子どもが抱える学校への拒絶感は
無意識のうちにおこっているためです。
繊細さや独特の感性を持っている子どもは思春期になると、
「自分じゃなくなる」という漠然とした感覚が出始めます。
学校という枠やルールの中で自分が壊れていくような感覚が出始めてしまい、
そこから守るために不登校を選択するようになります。
もちろん、この過程は無意識レベルで起こっているので、
子ども自身が、何が起こっているかわからず、
ただただ「学校が嫌だ」「体が震えてしまう」と感じたり、
生理反応が出てしまうのです。
そのため、最初は頭痛や腹痛、布団から出ない、
朝起きれないといった身体症状で
SOSを出そうとするしかできないのです。
そんな子どもに対して親ができることとは?
私の臨床経験からになりますが、
親ができることは
「子どものことを理解する」
に尽きます。
ただ、普通の理解ではだめです。
不登校の特性や原因を
熟知した上での理解が必要となります。
私たちは「理解される」と頑張ろうという気持ちが出てきます。
しかし、わかってくれない状態では、
エネルギーは全く出てきません。
例えば、
仕事をしていて上司が頑張っているのを理解してくれると、
自ずと「頑張りたい」という思いが出てきます。
しかし、上司が無理解でことあるごとに
難癖をつけてくるような状態であればどうでしょうか?
次第にやる気がなくなってしまい、
仕事も続けたいという気持ちが出てこなくなります。
それと同じことが、
不登校の子どもには起こっていることが多いのです。
もちろん、多くの方は
不登校のお子さん特有の繊細さや感受性については知らない方が多いので、
そうした子どもの苦しさを理解することは困難です。
なので、できればお子さんの特性を知ること、
そして特性を知ったうえで、
子どもを理解するというこが大切なのです。
子ども自身が一番苦しんでいる
多くの人はあまり知らないのですが、
実は不登校のお子さん自身が一番苦しんでいます。
ただ、本気で自身の不登校に向き合うとつぶれてしまうから、
ある程度向き合わないようにしている。
だから、周りから見ればあまり苦しんでいない様に見えるのです。
例えば、自分の部屋にひきこもっていてゲームばかりしている子ども。
皆さんは
「この子は自分の部屋が快適だからひきこもっている」と思いますか?
実際に部屋に閉じこもっている子に聞くと
「快適じゃないからゲームに逃げている」
と答えます。
つまり、家の中が苦しくて、逃げ場がなくて、
だから部屋の中やゲームの中に逃げ込むしかないと彼らは言います。
もし、ひきこもっている子を部屋から出したいのであれば、
その子が「楽をしてゲームばかりしている」という視点から、
「苦しい現実から逃れるためにゲームをしている」
という視点へと切り替えていくことが大切です。
本当は苦しい中で耐えているんだ・・・
見方を変えるだけで、子どもへの理解はぐっと変わります。
そしてその思いは不登校のお子さんに必ず伝わります。
不登校の子どもたちの長所は繊細さや感受性の豊かさです。
なので、お母さん、お父さんが感じていること、
思っていることを敏感に察知する力を持っています。
そのため、
「親はわかろうとしてくれている」
ということもいち早く感じることができます。
お子さんを理解すればするほど、
子どもの力をどんどん引き出すことができます。
それは、お父さんやお母さんにしかできない仕事なのです。
子ども自身を理解することが大事な事例
ここからは私個人のケースを紹介させてい頂きます。
※もちろん、個人が特定できないようある程度変更しています。
A君は小学校から不登校でそのまま中学校も行かないで卒業となりました。
もちろん、そういう状態なので、就職もせず、進学もせず、ニート状態で過ごしています。お母さんから話があって、A君と直接会うことになりました。
(今は、私はお子さんと会うことはしていません)A君と話してみると、とてもしっかりと受け答えをすることでした。
学校の先生からは「この子は発達障害や知的障害の可能性がある」と言われていたのですが、私の印象ではそんな感じは全く受けませんでした。
至って普通の男の子という感じです。
そこで思ったのは、まず発達障害や知的障害と言われるのは、それだけ学校がA君にとって合わなかった可能性があるということです。
そこで私はこんな質問をしてみました。
「もしかして、学校にいると自分らしさがどんどん失われる感じってなかった?」
A君、ハッとした顔をして、何度もうなずきます。
そこで私は不登校の原因や特性についてお話をしました。
A君は「あ、それわかる!!」と理解を示してくれています。
説明した結果、A君は「そっか、だから学校に行くのが苦しかったのか」と話しました。
そこからがA君のすごいところです。
「だったら自分で合う学校を探さないといけないな」と自分から言ったのです。
話し合った結果、単位制や通信制の高校に行って、まずは高卒の資格を取ること。
そして、アルバイトをしながら少しずつキャリアアップを目指すことになりました。
この話、たった1時間で起こったことです。
A君はたった1時間で自分が不登校だった理由を理解し、
そして自分に合った生き方に向き合うことができるようにあったのです。
親がまず理解すること
ただ、お母さんの方は何が起こっているのか、今一つわからない様子でした。
A君のことなので、お母さんに振り回されることはないと思いますが、
子どもが一歩を踏み出そうとしても、親が理解をしていないために、
足を引っ張ってしまうケースが多いのです。
これは何度も頭を悩ませてきました。
だから、親が不登校の特性を理解すること、
その上で子どものことを理解することが大事なのだということです。
親が理解を深めれば深めるほど、子どもは自分と向き合おうとします。
その結果、子ども自身が
「なぜ行けなくなったのか」を洞察を深めることできます。
もちろん、そこまで行くのに時間がかかりますが、
「そっか、だからか!!」という親の気づきは
きっと彼らの生きる糧になると信じています。
まとめ
この記事のまとめです。
今回はあいまいな感じが多かったので、わかりにくかったかと思います。
ただ、不登校の子どもたちを理解するのは面白く、
そしてお母さんやお父さんの視野を広げるチャンスとなります。
ここでは
「不登校の原因なんて子ども自身がわかっていないんだ」
ということを知っていただければと思います。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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