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4月になると、「学校に行く」と言い出すお子さんが増えます。
新しいクラスや担任、環境の変化。

そして春という季節も重なって、
「今ならやり直せるかもしれない」
と感じやすいタイミングでもあります。

親としては、とても嬉しい瞬間だと思います。
「やっとここから変わっていけるかもしれない」
そう感じるのは、ごく自然なことです。

しかし実際には、再登校が長く続かず、数週間や1ヶ月ほどで、
また行けなくなってしまうケースも少なくありません。

そのとき、多くの親御さんがこう感じます。
「どうして続かなかったのだろう」
「また振り出しに戻ってしまった」

その戸惑いや落胆は、とてもよく理解できます。

この場合、どういう風に再不登校を捉えて
気持ちを立て直していけばいいでしょうか?

このことについてお話をしていきますね。

動画でも詳しくお話しています

再不登校は「後退」ではなく「プロセス」

まず大切なことは、
再登校して、また行けなくなったことは
「失敗」ではないということです。

お子さんは、何もしていなかったわけではありません。

むしろ、「行こう」と決めて、
一歩踏み出したという事実があります。

中には、不安や緊張を抱えながらも無理をして通い続け、
限界まで頑張る子もいます。

そしてその結果、
「これ以上は無理だ」と気づいて、再び行けなくなる。

これは後退ではなく、
自分の状態や限界を知るための大切な経験とも言えます。

 

親以上に、子どもが傷ついていることもある

あるお母さんは、再登校後にまた休み始めたお子さんを見て、
大きなショックを受けていました。

ですが、話を丁寧に整理していく中で、こんな気づきが生まれました。

「ショックだったのは自分だけではなく、
むしろ子どもの方が、もっとつらかったのではないか」

この視点はとても重要です。

子ども自身も、「頑張ったのにできなかった」という体験の中で、
自分なりに傷つき、葛藤しています。

その状態でさらに期待や評価が加わると、
行き場を失ってしまうこともあります。

不登校のゴールは「学校復帰」ではない

ここで改めて考えたいのが、不登校の「ゴール」です。

不登校のゴールは、学校に戻ることではありません。

その子が、自分なりのペースで安心して過ごせるようになること。
そして、自分らしく生きていく力を取り戻していくことです。

学校に行くかどうかは、そのための一つの手段に過ぎません。

だからこそ、4月の再登校も
「うまくいったかどうか」で判断するのではなく、

・どんな気持ちで挑戦したのか
・実際に行ってみて何を感じたのか
・何がしんどくて、何なら大丈夫そうだったのか

そうした内面の変化に目を向けていくことが大切になります。

小さな回復のサインに気づく

学校に行けているかどうかだけが、回復の指標ではありません。

・笑顔が少し増えた
・会話が以前より増えた
・外に出ることが少しできるようになった
・誰かと関わろうとする様子が見える

こうした変化も、お子さんの中で起きている大切な回復のサインです。

目立ちにくい変化ではありますが、
ここに目を向けることが、親子関係の安心感を支えていきます。

「行く」も「やめる」もどちらもOK

もしお子さんが「学校に行く」と言ったときは、
その気持ちを信じて応援することが大切です。

ただ同時に、
途中で「やっぱり無理だった」となったときにも、

「それでもいい」と受け止められる余白を持っておくことが重要です。

親の期待が大きくなりすぎると、
子どもは「もう後戻りできない」と感じてしまいます。

その結果、無理を重ねてしまい、
かえって心の負担が大きくなることもあります。

「行ってもいいし、やめてもいい」

この余白があることで、子どもは安心して挑戦することができます。

再登校という経験の意味

再登校は、結果を出すためのものではありません。
その過程で何を感じ、何に気づくかが大切です。

実際に、再登校を経験したことで、
「自分はどういう環境が合うのか」
「どんなペースなら無理なく過ごせるのか」

そうした自己理解が深まり、
別の形で自分らしい道を見つけていくお子さんもいます。

つまり、うまくいくかどうかではなく、
その経験が次につながっていくかどうかが
重要なのです。

最後に

4月の再登校は、親にとっても子どもにとっても、大きな出来事です。
だからこそ、期待や不安が揺れ動くのは当然のことだと思います。

ただ、その出来事を「成功・失敗」で切り分けるのではなく、
ひとつのプロセスとして捉えてみてください。

焦らず、比べず、結論を急がずに。
お子さんの内側で起きている変化を、少しずつ見ていくこと。

その積み重ねが、結果として、
お子さんの回復や、親子関係の変化につながっていくのだと思います。

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田中勝悟

田中勝悟

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田中勝悟(たなか しょうご)
カウンセリングルームはぴっと室長。公認心理師・臨床心理士。1983年生まれ、兵庫県尼崎市在中。
不登校解決カウンセラーとして、不登校のお子さんを持つ保護者へのカウンセリングを中心に、20年以上、のべ8,000件以上のご相談に携わる。「学校復帰」をゴールにするのではなく、親子でこの経験をプラスの経験へと変えていくことを大切にした支援を行う。YouTube・ブログ・セミナーでの情報発信のほか、月額制のオンラインスクールも運営。著書に「不登校はチャンス」「プラスに変わる不登校」がある。

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