いつも読んでいただいてありがとうございます。
不登校解決カウンセラーの田中勝悟です。
この記事でわかること!!
・新学期前に子どもが何も話してくれない理由がわかります
・新学期前にやってしまいがちなNG対応4つがわかります
・子どもの心を安心させる「見守り方」がわかります
質問者
田中動画でもお話ししています
今回のテーマは、動画でも詳しくお話ししています。あわせてご覧いただけると嬉しいです。
新学期前、子どもが話さないと不安になるのは当然のこと
不登校支援をしていると、「新学期が近づいているのに、うちの子は何も話してくれません」というご相談を本当によく受けます。
新学期が近づいてきているのに、うちの子は何も話してくれない。変化も全然見えてこない。そんな状態のまま新学期を迎えてしまっていいのだろうか。そう感じてしまうのは、決しておかしいことではありません。
むしろ、それだけ子どものことを真剣に考えている証拠です。
そして大事なポイントとして、子どもが話さないことは、実は危険信号ではありません。子どもが口に出さなくても、子どもの中では実はいろんなことが動いていることが多いのです。
沈黙の裏で起きている変化(実際の事例から)
こんな事例があります。
夏休み中、昼夜を問わずずっとゲーム(マインクラフトのような創作系・建築系のゲーム)をしていた中学2年生の男の子がいました。お母さんとは一言だけなら会話がありましたが、それでも2学期からどうするのか、勉強や将来のことについては何も話してくれません。
ただ、お母さんお父さんとは簡単な会話ができていたことから、私はお母さんに「今はこの状態を続けた方がいいのではないか」とお伝えしました。お母さんも、お子さんと向き合っていく中で「その方がいいと思います」と納得され、「見守る」という選択をされました。
それから半年ほど経った2月頃、ある日急に「友達とサッカーしてくる」と言って遊びに出かけるようになりました。その頃から笑顔も増え、家族での雑談も増えていきました。
中学3年生になると、今度は自分から「別室登校から始めたい」と言い出し、学校の先生にも自分から会いに行って相談するようになりました。そして最終的には全日制高校に進学するというケースでした。
親子の間で言葉のやり取りはなかったのですが、明らかに子どもの中で何かが動いていたのです。
このように、会話がなくても、子どもの中で大事なものが少しずつ固まっていく。不登校は「さなぎの状態」とも言われますが、子どもの中で起こっていることを親が感覚的につかんでおくことが、子どもの内面の変化を後押しすることにつながります。
ただ、ここがうまくつかめないと、次に挙げるような対応をしてしまいがちです。
新学期前にやってはいけない対応4選
心配な気持ちから、お父さんお母さんがやってしまいがちな間違った対応が、次の4つです。
1. 無理に理由を聞き出す
「なんで話してくれないの」「どうしたらいいの」と理由を問い詰めてしまう。問い詰められるほど、子どもは「聞かないで」「うるさい」と感じて心を閉ざしてしまいます。
「聞く準備があるよ」という態度を、焦らずどっしり構えて示すことです。
「話したくなったら話してね」と伝えるだけで、子どもは安心感を得られます。
2. 話さないことを「拒絶」と受け取ってしまう
話してくれないことを「自分は拒絶されているんだ」と受け取ってしまうと、「私が悪いのかも」「もう関わらない方がいいのかも」と親自身が距離を置いてしまいがちです。
子どもが話さないのは拒絶とは限りません。まだ言葉にする準備ができていないだけということが多いのです。特に小学生・中学生は、自分の気持ちを言語化すること自体が苦手な年齢です。
言語化できるまで、心が育つまで「待つ」という視点を持ちましょう。
3. よかれと思って構いすぎる
心配のあまり「大丈夫?」「何かあった?」と何度も聞いてしまったり、フリースクールや塾、家庭教師などを次々と提案してしまう。
構いすぎは負担になり、逆に心を閉ざす原因になります。子どもによっては「これだけ言われているのに応えられない自分はダメなんだ」と感じてしまうこともあります。
まずは子どもの気持ちを理解し、それに合わせて見守る。空気や家庭の雰囲気で「大丈夫だよ」という安心感を伝えることを大事にしてください。
4. 新学期の話題でプレッシャーをかける
「進学(新学期)どうするの」「そろそろ考えたら」「夏休みが明けるのに何かした方がいいよ」と、つい追い詰めてしまう。
親や大人に言われなくても、子ども自身が9月1日から新学期が始まることはよく分かっています。
子ども自身も、新学期が始まることにすでにプレッシャーを感じているのです。子どもから話してくれるまで待つという姿勢が大切です。

不登校の正しい見守り方とは
これら4つの間違った対応に共通しているのは、親自身の不安を、そのまま子どもにぶつけてしまっているということです。
不安を感じること自体は当然です。ただ、その不安をそのままぶつけてしまうと、こどもを追い詰め、不登校が悪化したり、子どものメンタルが悪くなってしまうことが本当によくあります。
不登校の子どもが育っていくプロセスは、お酒を仕込む工程に似ていると私は感じています。杜氏さんが麹や水、音や温度を感覚でつかみながらお酒と対話するように、子どもが今何を感じ、何が動いているのかを感覚的に理解していく。それが、子どもの成長を熟成させていくことにつながります。
だからこそ、「話さない」「何も言わない」という状態に対して、今わが子に何が起きているのか、どんな気持ちでいるのかを理解しようとすることが、非常に重要になります。それが見えてくると、「待つ」「見守る」という言葉の本当の意味が見えてきます。そして子どもも、安心して自分の内面と向き合えるようになります。
これが本当の意味での「心の充電」です。
焦りや不安から動くのではなく、理解してから支援する。
これが不登校支援の原則です。
子どもが動き出したもの、できあがったものは、その土台がしっかり作られてからでも十分に間に合います。まずは子どもの内面が熟成される、安心できる環境づくりに焦点を当てていただきたいと思います。
まとめ
この記事のまとめです。
- 新学期前に子どもが話さないのは危険信号ではなく、心の中で静かに変化が進んでいるサインであることが多い
- 「無理に聞き出す」「拒絶と決めつける」「構いすぎる」「プレッシャーをかける」の4つはNG対応
- 大事なのは親の不安をぶつけることではなく、理解してから支援する「見守り」の姿勢
- 子どもの内面が熟成される、安心できる環境づくりに焦点を当てること
新学期、不安だと思います。
だからこそ、ぜひお子さんの心をも守るという視点で見ていただければと思います。



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