いつも読んでいただいてありがとうございます。不登校解決カウンセラーの田中勝悟です。
更新日:2026年9月23日
質問者子どもが不登校になり、仕事を辞めた方がいいのか迷っています。生活のこともあるので、できれば今の仕事は続けたいのですが…。
田中そのお気持ち、よく分かります。実は「仕事を辞めるべきかどうか」よりも、もっと大事な視点があります。今日は、仕事を辞めて関係が悪化したケースと改善したケースを比べながら、何が結果を分けるのかについてお話しします。
結論からお伝えすると、大事なのは「仕事を辞めるかどうか」ではなく、「何のために、どんな目的でその選択をするか」と目的をはっきりとしていくことです。
同じように仕事を辞めても、結果がまったく逆になったご家庭を、これまで数多く見てきました。以下で順番にお話ししていきます。
私は公認心理師・臨床心理士として、これまでのべ8,000件以上、不登校のご家庭のカウンセリングをしてきました。その経験も踏まえながら、今回のテーマについてお話ししていきます。
動画でもお話ししています
不登校になったら仕事は辞めるべき?──結論は「ケースバイケース」
まず最初にお伝えしたいのは、「絶対に辞めた方がいい」「絶対に続けるべき」という答えは存在しないということです。
判断に必要なのは、
・子どものメンタルの状態
・経済的な事情
・そして、親子の性格(気質)
この3つです。
私は「キャラ診断」という性格分析を使って、親子の生まれつきの気質を見立てています。親子のタイプによっても、ベストな選択は全く違ってきます。
【事例①】仕事を辞めたことで関係が悪化したケース
あるお母さんは、小学生の息子さんが不登校になったことをきっかけに、「そばにいてあげなきゃ」と思い、子どもの気持ちを確認しないまま仕事を辞めました。
お母さんの中には、「仕事を辞めて私がついていたら、学校に行くだろう」という思いがあったのだと思います。
ところが、いざ家にいると、「ずっとゲームばかりしてるけど大丈夫?」「少しは外に出なさい!」と、つい口を出してしまうようになったそうです。
子どもの行動が気になりすぎて、コントロールするようになってしまった。その結果、息子さんのメンタルはさらに悪化してしまったのです。
お母さん自身も、「仕事を辞めてまで支えたのに、何も良くなっていない」と、自分を責めてしまいました。
【事例②】仕事を辞めたことで関係が改善したケース
一方で、こんなケースもあります。
中学生の娘さんがリストカットをするほどメンタルが不安定になり、お母さんは家族と話し合ったうえで、仕事を一旦休職しました。
すると、娘さんが初めて「甘える」ことができるようになったのです。
お母さんも焦らず受け止める時間を持てたことで、徐々に娘さんは笑顔を取り戻し、やがてフリースクールに通えるようになりました。
なぜ結果が分かれたのか
この2つの事例、どちらも「仕事を辞めた」という点は同じです。でも、結果はまったく逆でした。
ちなみに、親が仕事を休んだから学校に行くようになったケースは、私が見てきたところ、ほとんどありません。
ただ、仕事を辞めたことで子どものメンタルや親子関係が悪化したケースと、
逆に子どもがどんどんと元気になって動き出すようになったケースに、大きく分かれていることが多いです。
※不登校の解決のベースは、「子どものメンタルが回復すること」です。
元気になっていった結果、学校に戻ったり、フリースクールに言ったりするなど、その子なりに前に進むようになります。
どうして結果が違うのでしょうか。
そこには、何のために辞めたのかというそもそもの目的の違いがあったのです。
前者のお母さんは、「ただただ子どもが心配だから」と、子どもの気持ちを確認せずに仕事を辞めました。
しかし、いくらそばにいても子どもは変わりません。
その結果、お母さんの中でイライラが募り、かえって子どもを変えようとしてしまい、不登校が悪化したのです。
一方、後者のお母さんは、子どもの心を回復するためには「いったん仕事を休んだ方がいい」と考え、子どもと話し合ったうえで辞めることを決意しました。
子どもを変えるのではなく、「まずは子どもの心が回復すること」を優先したのです。
同じ「そばにいる」でも、中身がまったく違っていたということです。

退職・休職を考える時に押さえるべき3つの視点
① 不登校の「メカニズム」を知る
不登校は、突然起きるものではありません。
ストレスや環境の積み重ねが限界に達して、心が「もう無理」とストップをかけた状態です。
つまり、焦って”行かせる”より、「なぜそうなったのかを理解する」ことが最優先です。
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② 親子の性格(気質)を見極める
この辺りは、親子の生まれつきの気質も大きく関係してきます。
例えば、子どもの気質が「次男タイプ」や「末っ子タイプ」であれば、親が仕事を休んで関わることでメンタルが大きく改善することが多いです。
逆に子どもの気質が「長男タイプ」や「お母さんタイプ」であれば、一緒にいる時間が増えるほどぶつかりやすくなり、仕事を休んだ結果、かえって親子関係が悪くなるケースが多くなります。
また、親が「次女タイプ」の場合、仕事を辞めるとかえって不安が高じてしまい、親子関係が苦しくなりやすい傾向があります。
あるお母さんは、お子さんの気質が次男タイプとわかり、他の兄弟の対応でお母さんに甘えられないことが分かった結果、「仕事を休んで、この子に寄り添います」と覚悟を決められました。
その結果、その子はお母さんにしっかりと甘えることができ、今は別室登校から始めることができています。
ちなみに親が「長男タイプ」「お母さんタイプ」の場合は、親が息抜きをしたり、子どもと適度に距離を取る必要があるケースが多く、仕事はやめない方がいいことが多いです。
気質について詳しくはこちらの記事もご覧ください。
③ 経済面と生活のバランスを考える
仕事を辞めることは、経済的にも心理的にも大きなリスクを伴います。
焦って決めず、「一時的に休む」「制度を使う」「勤務時間を調整する」など、中間の選択肢を考えるのが現実的です。
【知っておきたい】国の制度も活用できる
実は、2025年2月から厚労省の通達で、「不登校の子ども」も介護休暇の対象になりました。
これを知らない方が多いのですが、「不登校 介護休暇」で検索すると、社会保険労務士のサイトなどで詳しく確認できます。参考までに、下記もご覧ください。
ただし、取得できる日数は限られていることや、雇用形態によっては取得できない点には注意が必要です。
会社の相談窓口や地域包括支援センターなどで相談をしてみると良いでしょう。
また、職場によっては「休職」を許可してくれるところもあります。
すぐに辞めるのではなく、“一時的に距離を取る”選択肢も検討してみてください。

まとめ
最後に一番伝えたいのは、「感情的に決めないこと」です。
実際に「お母さんが仕事を辞めたことが一番つらかった」と話す子どもも少なくありません。
親が仕事を辞めたことで、「自分のせいでお母さんの人生を壊してしまった」と感じさせてしまうこともあるのです。
辞める・辞めないの二択で悩むのではなく、親子の気質を理解した上で、冷静にどんな選択がいいかを考えていただければと思います。
迷ったときは、一人で抱え込まず、カウンセラーに相談していただくのも一つの方法です。
焦らず、家族で話し合いながら、納得のいく形を選んでいっていただければと思います。



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