不登校のノウハウをあえて言わない理由

※ この記事はブログやメルマガから「ぜひ、多くの人に知ってもらいたい」と思ったものを加筆修正したものを掲載しています。

私はあまりブログやメルマガで「不登校の子どもにはぜひこう関わりましょう」「こう支援しましょう」といったノウハウを書くことはありません。

その理由はノウハウをそのまま試しても意味がない!!に尽きるからです。

それよりも不登校の子どもの気持ちや心理状態を理解していく方がとても理にかなっていますし、お母さんやお父さんの負担もかなり減ります。

今回はそのことについてお話しています。

ノウハウだけに頼るととんでもないことに!!

ある家族の事例

※ 今からお伝えするケースはあくまでも架空のケースです。

A君はある日急に学校に行けなくなりました。
昨日までは学校に元気よく言っていたのに、学校の先生に理不尽に怒られてしまい、「もう学校に行くのがいやだ!!」と泣いてしまい、そこから学校に行くことができなくなりました。

学校の先生が原因だとお父さんとお母さんは先生にクレームを入れに行きます。
先生も謝罪しますが、それでも学校に行くことはありません。

学校が悪いと両親も思っていましたが、1か月以上学校を休み続けるA君に対して、イライラいしてくるようになりました。

学校に行くように促しても「嫌だ」の一点張り。

スクールカウンセラーに相談すると、「こういう時は無理やり送り出したほうがいい」と言われ、お父さんとお母さんはそのようにします。

次の日、A君は無理やり起こされ、着替えさせられて、車に乗せられ、そのまま学校に行かされました。
お父さんとお母さんは「次、学校に行かないと言ったら承知しないからな!」と起こります。

そこからA君は1週間、問題なく学校に行くことができました。

しかし、そこからまた学校に行かなくなります。
しかも、今度は部屋に鍵をつけて、段ボールや机でバリケードを作って、引きこもりの状態になってしまいました。

お母さんとお父さんが思いっきり怒っても、行くよう説得しても、すればするほどA君は貝のように無言を貫き、引きこもりのまま、1か月が過ぎてしまいました。

事例の問題点

この事例の問題点は、「無理やり」というキーワードです。

「無理やり」しないといけない場合はどんな時でしょうか?

それは「相手のことを全く理解できていない時」です。

A君のご両親は、A君のためを思ってのことはわかりますが、スクールカウンセラーから言われた「思いっきり叱れば子どもは行くようになる」というノウハウをそのまま試してしまったのです。

もちろん、このノウハウに問題があるわけではありません。
子どもの状態や性格傾向、両親との関係を踏まえたとき、このノウハウが非常に有効である場合もあります。

お父さんが思いっきり怒って学校に行くようになるという話もあります。

しかし、ノウハウをそのまま試してしまうと、実はそのノウハウが間違っているのに使ってしまって、不登校が悪化してしまう危険性が常にあるのです。

ノウハウだけには意味がないことを知る

ノウハウをする前にやっておきたいこと

じゃあ、どうすればよかったかですが、大切なことは、「この子がなぜ学校に行かなくなったのかを理解すること」です。

と書くと、

「え?先生の理不尽な叱責ですよね?」と思う方もおられると思います。

でもね、考えてください。

先生の理不尽な叱責を受けても、学校に登校し続ける子なんてたくさんいますよ。

私の中学校の頃でも、先生の勘違いで思いっきり怒られていた子がいました。

えこひいきと言いますが、先生も人間で、かわいいと思える生徒と思えない生徒もいます。

問題は、そうした中で、なぜA君だけが学校に行けなくなったのか?ということです。

この辺りは、不登校の3つの原因についてなぞらえて考えて行くと見えてくると思います。

おそらく、A君はちょっとしたことで許せなくなったり、びくついてしまって守りに入るために壁を作ってしまうところがあるお子さんではないかと思います。

動物でも理不尽な状況に陥ると、身構えてしまって動けなくなってしまうものがあります。

それと同じように、A君は理不尽な叱責を受けたときに固まってしまって、動けなくなってしまうタイプのお子さんであるのかなと私なら仮説を立てます。

このようにまずは子どもが「どんな子か」を理解することを考えて行かないといけません。

理解から見えてくるものが本当のノウハウ

子どものことが理解できてくると、不登校の本当の原因が見えてくるようになります。

仮に上記に上げた仮説がA君の不登校の原因だとして、考えられる支援についてみていきましょう。

もし、理不尽な状況に固まってしまうという傾向がA君にあるとすれば、このままA君は社会で生きていくことができるでしょうか?

社会とはとても理不尽な世界です。

どれだけ頑張っていても、人間関係や派閥一つで一気に足を引っ張られてしまうことも少なくありません。

もちろん、A君にあった理想の上司がいる職場に行くことができて幸せになれる可能性があるかもしれませんが、相性も悪い上司に当たれば不登校の時と同じように出社拒否を起こしてしまうかもしれません。

となると、本当にしないといけない支援は、学校に行かせるかどうかではなく、A君が理不尽な状況にあっても耐えていく力を身に着けていくことだと言えます。

理解が見えてくると、「じゃあどうすればいいか」がはっきりと明確に見えてくるようになるのです。

具体的なノウハウを見つけていくコツ

さらに具体的なノウハウを見つけていくコツですが、こればかりはA君とご両親との関係、関わり方、何よりもA君の持ち味で大きく変わります。

一つノウハウをあげさせていくとすれば、A君の「頑張りたい気持ちをもう一度育てなおす」ということでしょうか。

子どもには本来頑張りたい気持ちが備わっています。

しかし、失敗したらどうしよう、うまくいかなかったらどうしようと恐れのために、前に踏み出せないでいるのです。

背中を押すのは、お父さんやお母さんの「承認」です。

「それ、いいね」と言ってもらえるとそれだけで子どもは前に進むようになります。

問題はそこまでの関係を築き、そして子どもの思いを引き出せるような関りができるかどうかです。

それができて初めてノウハウは意味を成すものだと思っています。

ノウハウだけでするのは非常に危険です。

だからこそ、私はノウハウをあまり言わないようにしているのです。

 

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