事例でわかる実際のカウンセリングの風景

今回は事例をベースにして、「カウンセリングってどんな感じのものか」を紹介したいと思います。

ちなみに事例の中身は私が今まで経験してきたケースをいくつか混ぜ合わせて作った架空の事例です。

「カウンセリングってこんな感じでするんだ」というぐらいの気持ちで読んでいただければ幸いです。

と、その前にカウンセリングについて簡単に説明させていただいています。

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そもそもカウンセリングって病気を治すの?

多くの方が誤解していることですが、カウンセリングは病気を治すものではありません。

もちろん、PTSDやうつ病、人格障害に有効なメソッドや治療技法はありますが、カウンセリングとは医療行為ではないのです。

例えば、うつ病の考え方も医師は「病気」という視点で見ますが、カウンセラーは「心が疲弊した」と心と言う視点で見ます。

そのため、疲弊した心をどうやって育てなおしていくか、上手に付き合いながら回復できるように支えるか、そうした視点で関わることがカウンセリング行為です。

不登校についても、まず「不登校を治す」というスタンスは取りません。

不登校を「治す」というのではなく、そうした状態とどう付き合って、将来生きていけるように育っていくか、もしその中で傷ついたとしたらその部分をどう癒していくか。

そうした視点で関わります。

「治った」というよりも、「乗り越えた」「過ぎ去った」「頑張れた」「変わった」そういう言葉の方がしっくりしきますし、それを支えることがカウンセラーの仕事であると思っています。

事例から見るカウンセリング実際

では、事例を通してカウンセリングの実際を見ていきましょう。

繰り返しますが、事例の内容は私の経験を元にしたフィクションです。

子どもの例と親の例、それぞれについてお話しています。

子どものカウンセリングの事例

Aさんは中学校2年生の女の子です。

吹奏楽部での人間関係のトラブルから不登校になってしまいました。

しばらくは保健室登校を続けていて、別室登校になったときに、カウンセリングを始めました。

Aさんは頭がよく、周りに上手に合わせる力も持っていました。

しかし、合わせる力があるということは、自分を押し込める力もあるということです。

Aさんは「なんかあの子を見ているといら立つ」という女子グループからのやっかみを受けるようになります。

しかし、それでも周りのことを思って、気を使って合わせようとします。

それがより一層その女子グループの気に障ってしまいます。

またその女子グループのリーダーは発言力もあり、自然と「Aさんが悪い」というような雰囲気になっていきます。

Aさんを無視する子もどんどん増えてしまい、吹奏楽部で過ごすことができなくなるほど追い込まれました。

普通の大人なら転職を考えたりして、会社を辞めるのですが、逃げ場のない子どもは「学校に行けなくなる」という選択肢しか持てません。

そうした中で、保健室登校、別室登校まで来たAさんはかなりの頑張り屋さんだったと思います。

しかし、そうした無理してきたということは、自分を押し殺してきたということです。

しかも、その苦しみを理解できる人は周りにはそんなにいません。

私はAさんに対してカウンセリングをした際、その頑張りを一生懸命聞きました。

Aさんは最初は私が喜びそうなことを話すのですが、私が「そんだけ辛かったのなら、そこまでがんばらなくてもよかったのに・・・」というと、Aさんは大きな声で泣き出し、その時初めてつらかった気持ちを吐露してくれました。

よほどつらい中、頑張ってきたのだと思います。

話を聞きながら、Aさんは少しずつ頑張ろうという気持ちが湧いてきたようで、それからは別室登校で勉強をするようになります。

頭がよかったので、すぐに勉強は追いつきました。

友達関係ですが、幸いAさんの人の良さもあり、仲良く話せる友達も残っていました。

やがて仲の良い友達が休み時間に別室に来るようになり、そしてその子たちが所属するクラブに参加することから始めるようになりました。

お母さんとも先生もAさんに協力してくれたので、Aさんは3年生の2学期には教室で授業を受けるようになり、無事に高校に進学しています。

お母さんのカウンセリングの事例

小学校6年生のB君はある日急に学校に行けなくなりました。

きっかけは友達に「お前ってなんか暗いよな」と言われたことです。

すぐに先生が謝罪の場を作り、友達はB君に謝りました。

しかし、それでも学校に行こうとしない。

お母さんはB君に「もう過ぎたことなんだからいいでしょ!明日は学校に行かないと許さないよ」というのですが、それでも学校に行こうとはしません。

「どうしていかないのか」とわからない中で、お母さんはカウンセラーの先生に藁をもつながる思いで相談に行きました。

この場合カウンセラーは、「お母さんの対応は間違っているよ」とお母さんを批判したり非難したりすることは絶対しません。

批判や非難は意味がありません。

大切なことはお母さんの苦しさを理解すること、頑張りを理解することです。

その中でお母さんができそうなところを見つけることです。

しかし、背景には父方の祖父母の無言の圧力や、将来の不安、周りからの目線の怖さ、今まで自分が信じてきたものが崩れたことに対する絶望感など、いろんな思いがあります。

それらを汲み取っていく作業をしつつ、同時に不登校の原因についてお話ししていきます。

ただ、お母さんの状態によっては、原因は話さないこともあります。

それらを話すことで余計に心の中がごちゃごちゃになってしまい、子どもに悪影響を与える場合もあるからです。

それだけは避けなければいけません。

幸い、B君のお母さんは「子どもは変わらないけれど、親である自分自身は変えられる」と思うようになり、お母さん自身が子どもの気持ちを理解する努力をする方向に舵を切り替えることができました。

そして、B君との関係をより良いものとしつつ、B君の生きる力を育てるためにできることを考えるようになりました。

もちろん、それらは一進一退するのが常で、その都度お母さんは「どうしていいかわからない」「このままでいいのだろうか」と不安や迷いを私に吐露します。

しかし、カウンセリングで状況を整理して「これでいいんだ」ということを見つけながら頑張ってB君とのかかわりを続けています。

B君は結局のところ学校に行くことはありませんが、地元のスポーツクラブやフリースクールなどいろんなところに居場所が持てるようになり、表情は前と比べて明るくなってきています。

お母さんも「学校は行くべきもの」ではなく、選択肢の一つとして考えることができるようになってきているようになってきつつあります。

まとめ

今回は事例を通して、不登校についてお話をしました。

カウンセリングの実際についてイメージがつかめたら幸いです。

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