発達障害を見分けるポイントをカウンセラーが説明するよ

この記事を読んでほしい人

  • 子どもをどう理解していいかわからないお父さん、お母さん、専門職の人
  • 発達障害と単なる個性との違いがわからず困っている人

→発達障害がどういうものか、どう理解し支援したらいいかがわかるようになります。

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育てにくい子どもの多くは発達障害?

それって個性なの?それとも発達障害なの?

急に癇癪を出したり、自分の思い通りにいかないと暴れたり・・・。

勝ち負けにすごくこだわってしまい、友達とけんかになってしまう。

一人でいるのが好きで、友達と遊ぼうとしない。

言葉で言っても全然通じていない気がする。

よく、「わかった」というけど、全然わかっていないときのほうがいい。

忘れ物が多く、伝えたことを覚えていないときも多い

上記のようなお子さんだと、子育てにかなり苦労されることと思います。

このようなお子さんは健診や学校の先生から「一度、病院で検査をされたほうがいいと思います」と言われ、病院に行くと、高い確率で「発達障害」の診断名が付きます。

そうなると、放課後等デイサービスに通わせるべきか、療育を受けたほうがいいか、特別支援学級に入れたほうがいいか、いろいろと迷ってしまいます。

診断がついたからと言ってどうしたらいいかがわかるわけじゃない

一昔前は、発達障害という診断名がつくことで、「今までのこの子のおかしな行動や育てにくさは、お母さんのせいではないですよ」というメッセージにもなり、ずいぶんと楽になった方も多いと思います。

しかし、だからといって「じゃあ、どうしたらいいか」が具体的な支援策が見えてくることはありません。

私のところには、一度病院で心理検査や知能検査を受けて、発達障害の診断が出たことで、かえって混乱してしまう方が一定数おられます。

発達障害だと言われても「どうしていいのかわからない」とおっしゃる人は結構多いのです。

いかにその理由についてお話をしたいと思います。

発達障害ってなに?

発達障害はその子の状態を明確に表現する診断名じゃない

ADHDとか自閉症スペクトラム障害とかLDとか、診断名がありますが、それはその子の状態をはっきりと明確に表現する診断名じゃありません。

例えば、熱が出て、咳も出て、鼻水も出ているのであれば、急性上気道炎(風邪)という診断名が出ます。

もし、インフルエンザウィルスが検出されれば、インフルエンザの診断名が出ます。

怪我でも大腿骨骨折という診断であれば、どの部分が折れていて、どれくらい安静にしたらいいかが一目でイメージできます。

しかし、ADHDや自閉症スペクトラム障害といった診断名は、その子の状態を明確に表すものではありません。

例えば、自閉症スペクトラム障害は空気が読めない、こだわりがあって、切り替えができない、見通しがないと動けないといった症状が認められます。

しかし、友達と仲よく遊ぶことができたり、こだわりはあるけれども切り替えができたり、見通しがある程度作れるタイプの子もいます。一昔前は「自閉症は視覚優位だ」と言われましたが、そうじゃない自閉症の子もいます。

また、ADHDでも、一見して「この子はADHDだ」と思えるような子もいれば、「なんで、こんな診断名がついたんだろう?」と思えるような子もいます。

発達障害の場合は、本当に範囲が広いので、本を読んだだけではピンと来ないものも多く、診断がついたからと言って「どうすればいいか」がすぐにわかるようなものじゃないということに注意が必要です。

だから、多くの方が診断名がついたからと言って、かえって悩んでしまったり、逆に親子関係が悪化してしまうようなケースもあるのです。

発達障害を理解する

発達障害とは一言でいえば、脳のバランスやつながりが悪い状態を指します。

例えば、ADHDの場合は、集中力や注意力、衝動のコントロールの働きが人よりも悪い状態であることを指します。

生まれつき体の弱い人がいるように、生まれつき脳の働きが弱い人がいます。

もちろん、これらは脳という臓器が弱いことが原因です

また、体の弱い人が食事療法や運動を通して体を強くしていくことができるように、発達障害の人も食事療法や運動を通して改善することができます。

脳の組織のどの部分が不具合を起こしてしまうのかは、その人その人でかなり異なってきてしまいます。だからこそ、発達障害の症状はその人の数だけあるといっても過言ではないのです。

発達障害を見分けるには?

発達障害を見分けるには脳の不具合があるかどうかが一番のポイントであると考えています。

私は今までの臨床経験や学んできたことから、主に3つの視点で発達障害を考えるようにしています。

この視点を理解するだけでずいぶんと彼らの世界を知ることができるようになりました。

そして、私自身の自己理解もかなり深まりました。

この視点はあくまで私独自のものですが、ある発達障害の方に伝えたところ、大いに納得してくれたので、かなり有効であると思います。

その3つの視点とは、

入力→認知処理→出力 という視点です。

下の図を見てください。

この3つの視点を通して、私が彼らをどう理解しているのか、発達障害かどうかの違いをどう見分けているのかをお話をしたいと思います。

入力

入力とはその人が現実にあるものをどのように取り入れるかということです。

主に感覚器官を通して取り入れ、取り入れたものを脳で処理します。

この入力が不十分であると、そのまま行動に移すことになります。

目で見た情報がうまく入らないと、かえってごちゃごちゃした状態で脳に入ってしまい、混乱してしまいます。また、耳からの情報が全部素通りしてしまう人は、素通りした状態で考えないといけないので指示通りに動けないこともあります。

例を言えば、玉ねぎも人参もないのに、カレールーもないのにカレーライスを作るようなものです。人参ぐらいなら問題にはなりませんが、カレールーがなければ大問題です。

実は、ストラテラやコンサータの効果が出やすいのはこの部分であったりします。

これらの薬は脳が情報をキャッチする力を回復することで、入力の不十分さを補うことができ、それより仕事の能率が上がったというケースは結構多いのです。

また、入力のための感覚器官が人よりも独特な人もいます。

ただ、それは感覚器官そのものがおかしいというよりも、それを受けとる脳のつながりが人よりも独特なためです。

そのため、特定のものしか食べられなかったり、痛覚に鈍感だったりします。

また、明るすぎる状況がダメだったり、特定の音が人一倍苦痛に感じたりするタイプもいます。

この場合は、その独特さに合わせた支援をするか、できるところまで鳴らしてくということが必要でしょう。少しずつ味に慣れさせていくことで食べられるものを増やしたり、サングラスやイヤホンで刺激をカットしたりするなどの方法があります。

認知処理

認知処理とは入力して取り入れたものをどのようにして処理するかということです。

簡単に言えば、考え方や物事の捉え方、受け取り方になります。

例えば、「今時間がないからできるだけ早くコピーを取ってきて」という指示を出したとします。

多くの人は「できるだけ早く」というのは「今すぐ」という意味と捉え、すぐに行動をします。

しかし、特に自閉症スペクトラム障害系の人は「できるだけ早く」というのを、「自分の仕事が終わり次第」と捉えてしまい、後回しにしてしまう可能性があります。

俗にいう「自分勝手な解釈」というものですが、これは認知処理をする部分の脳のつながりがアンバランスであることが原因です。

そのため、相手の言葉を正しく取り入れているはずなのに、全く違った捉え方、解釈、受け取り方をしてしまい、人間関係でトラブルや行き詰まりを起こしてしまいます。

そのため、いわゆる認知行動療法や社会スキルトレーニングを通して、適切に考えていけるように促していくことで効果が出ることがあります。

また、考えを整理していくような方法も大切です。そのあとで、「こういう方法もあるよ」と提案していくことで、

出力

出力とは入力して認知処理したことをどのようにして表現したり、効率よく進めたりすることができるかです。

これには衝動的に行動してしまう傾向、多動傾向、そして手先の不器用さなどが絡んできます。

例えば、黒板の字を見て、先生の説明をしっかりと聞き、そして授業の内容をちゃんと理解していても、手先が不器用だったり、理解したことを言葉で伝えたりすることが苦手だと、テストでは思うように成果がでません。

集中力のムラも私は「出力」の部分であると考えています。

つまり、出力が苦手ということは、「わかっているのに、思ったようにできない」という状態です。

このような場合は、その人の得意な出力の仕方があるはずです。例えば、言葉で伝えるのが苦手だけど文字に書いてなら上手に伝えられる、手先が不器用だけど芸術的な運動は得意、などなど。その子の強みを伸ばしていくことが大切です。

後は、何かする前に一歩立ち止まって考えてみるということです。特に多動や衝動性の高さと言うのは薬でコントロールすることができるという結果もあります。

この辺りは医師の権限になるので、主治医の先生と相談しながら進めていくことが大切です。

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入力・認知処理・出力のバランスから発達障害を理解する

今までの印象からですが、知的障害に入る子たちは、入力・認知処理・出力の精度が全体的に低い傾向があります。

一方で、発達障害の人たちがどれか3つの内、1つないしは複数が低く、バランスが悪いという印象を持っています。

ADHDの場合

例えば、ADHDと呼ばれるタイプの人は、入力と出力の一つもしくは両方の機能が弱いという傾向があります。

認知処理は正常に動くので、捉え方や物事の見方、「この状況であればどうしたらいいか」というのは普通の人と同じように考えることができます。

分かりやすく言えば、「なるほど」と納得できるような考え方をするという感じです。

しかし、入力が不十分だと少ない情報で考えていくため、どうしても考え方に穴があったり、後で「しまった!!」と後悔してしまうようなことが多くあります。

出力にムラが出ると、衝動的になったり、集中がうまくできなかったりします。入力と認知処理が上手にできるのに、出力の部分でムラが出てしまうので、思ったようにできないことが多くなります。その場合は、深呼吸して落ち着いてからゆっくりと考えるということが大切です。

自閉症スペクトラム障害の場合

自閉症スペクトラム障害の場合は、認知処理の部分と入力の一部がエラーを起こしやすいという印象があります。

周りの情報をちゃんと取り入れることが難しかったり、取り入れたものを適切に処理できないために、周りとはどんどんとずれてしまう傾向があります。

また、認知処理の機能として、「今ある情報を組み立てて、柔軟に見通しを立てていく」というものがあります。

この部分の機能が不十分だと、適切に情報を与えても見通しが立てられず、「どうしていいかわからない」という状況になってしまいます。

また、今やっていることにこだわってしまい、柔軟に対尾ができないということにもなります。

この場合は、少しヒントを提示したり、見通しを伝えることを通して、動きやすいように支援をしていくことが望ましいでしょう。

混合型と呼ばれる人たちの理解の仕方

実際、支援の中ではADHDと自閉症スペクトラム障害の混合型という人たちがいます。

彼らを理解する際に、彼らの入力が弱いのか、認知処理が独特なのか、出力が偏っているのかということを見ていくということが必要です。

この視点が優れているのは、診断名から見るのではなく、実際の脳の働きからその人の実態を理解できるという点です。

例えば、よく人とトラブルを起こすこの場合、

入力が弱く、ちゃんと周りの様子を把握することができないからか

認知処理が独特で、周りの状況を読み違えているからなのか

出力が偏っていて、よく考えないで衝動的に相手を傷つけるような言い方をしているのか。

そうした視点でその人を見ると、その人の苦手なところ、難しいと感じていることを客観的にとらえることができます。

もちろん、当の本人はそこまで意識していないかもしれませんが、周りの大人が気付き理解することで、良い支援や指導をしていくことができるようになります。

まとめ

実際のところ、ADHDや自閉症スペクトラム障害という視点だけではその子の苦手なところや得意なところ、どこで躓くのかという視点を理解することはできません。

「入力→認知処理→出力」のどこで躓いているのかという視点を持つことで、その人がどこでトラブルや困り感を持つのかが柔軟に見えるようになります。

発達障害でお困りの方はぜひはぴっとのカウンセリングをお勧めします。状況を丁寧にお聞きした上で、苦手なところや得意なところをお伝えし、どういうことをしていけばいいかをお伝えさせていただきます。

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