H29年度の文科省の不登校に関する調査結果から見えたこと

この記事で書いていること

〇文科省の統計から不登校の実態について考えています。

〇数字が苦手な方は最後に「まとめ」で結論を書いていますので、そこだけ読んでいただければと思います。 

こんにちは、カウンセリングルームはぴっとの田中勝悟です。

今回は不登校の実態について、文科省のデータをもとに考えてみたいと思います。

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平成29年度の文科省の不登校の実態調査より

調査での不登校の数は14万人

まず文科省の不登校の実態を調べた調査があります。 

参考:平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

 

この調査結果に平成3年から29年までの不登校の実数に書かれている調査があります。

 

ニュース等でご覧になられた方も多いと思いますが、この調査では不登校の人数は

小学校で35,032人(小学校全体の0.54%)

中学校で108,999人(中学校全体の3.25%)

合わせて144,031人(全体の1.47%)

となっています。

調査での不登校の定義 

ちなみに、この場合の不登校の定義としているのは、

連続・断続して30日以上の欠席した児童生徒ということです。

 

つまり、上記の数字は、年間30日以上、病気や特定の理由なく欠席した子どもの数ということになります。

 

それを文科省は「不登校」と定義しているのです。 

不登校の数は実際に増えている

さて、この調査結果ですが、不登校の人数で見ると14万人とかなりの子が不登校になっていると見て取れます。

 

平成3年度の調査では、全体で66千人で、割合にして0.47%だったので、
わずか26年間で1%も上昇しているということになり、
不登校の人数も8万人増えているということになります。

詳しく見ていくとわかる深刻な状況

これだけ見れば、不登校は確実に増えている・・・といえますが、実はこの統計調査を詳しく見てみると、実はさらに深刻な実態が見えてきます。 

そもそもの定義が実態を反映していない 

不登校の定義として、「連続・断続して年間30日以上の欠席」を計上しているのですが、これには保健室登校や別室登校の場合は、出席扱いとなります。

 

参考:質疑応答集(初等中等教育機関,専修学校・各種学校編)

もちろん、出席扱いとするかどうかは学校長の判断になりますが、私のかかわった経験では、教育センターにカウンセリングに行ったり、適応指導教室や市が運営しているフリースペースに行ったりした場合、出席扱いとする文言があります。

 

もちろん、適応指導教室やフリースペースはずっと週5日運営していないこともあるので、年間30日以上欠席のカウントにはなりますが、中には、週4日はフリースクールに通って残りの1日は保健室で数時間過ごすという子供たちもいるはずです。

不登校の実態はかなり多いんじゃないか

問題はこれらがすべて出席扱いとされた場合、上記の調査の範囲でいえば、その子は「不登校」にはカウントされないということです。

となると、不登校の実態は14万人をさらに超えるものとなることが予想されます。

 

2018年に出した日本財団の統計によれば「33万人の不登校予備群がいる」と言われていますが、それは推測統計で出た結果なので、もしかするともっと多いのではないかと容易に予想されます。

不登校の定義を「教室に入れない」ということにすれば、実は今回の文科省の統計よりもさらに多くの数が不登校ではないかと私は思うのです。

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逆の見方をするとわかる学校教育の実態

98%の子供が学校と繋がっているという事実

ただ、一方でこんな見方もできます。

 

保健室やフリースクール等、何らかの形で学校や社会とつながっている、もしくは学校に行っている子供の数は98%に上るということです。

 

この数字は実は世界的に見れば、かなり驚異的な数値です。

 

世界では学校に行っている子供は全体の50%に満たないという調査結果もあるくらいなのですから。

 

これを見ると、多くの子供たちは学校とつながっているという結果であることがわかります。

逆にここまで子どもたち全員が学校に行かないといけないという教育文化を作ってきた国と大人たちの努力には本当に頭が下がります。

 だからこそわかる国の限界

しかし、こういう風に見ると、文科省が不登校の支援を国ではなく、民間団体に移したいという気持ちもわかるような気がします。

 

というのも、これは国を批判するわけではないのですが、一つの組織で100%を目指すということは実質不可能だということです。

残りの難しい数%を他の民間団体に依頼して、効率よく子どもの支援を行うべきだという国の考えには私は同意します。

 

むしろ、国が主体で不登校の軽減を図ろう、100%の子供たちが学校で勉強できるようにしようと考えていくほうが、私は非現実的だと思うのです。

だからこそ私たち大人にできることがある 

ただし、それは国が不登校の子どもたちを見捨ててよいというわけではありません。

(むしろ、それは教育基本法や日本国憲法に違反します)

 

そうではなくて、私の考え方としては、国が学校で頑張れる子たちをサポートし、そして国ではサポートしきれない子どもたちを別の期間がサポートしていくことが大切だということです。

 

そして大切な子どもの生きる力をどう伸ばしていくか。

 

そこに大人や社会が一つになって考えていくことが、これからは求められているのではないかと思うのです。

 

調査結果を吟味するといろんなことが見えてきます。

 

今回はこうした文科省の実態から、不登校について考えてみました。

 

特に後半は私の意見がかなり入っているため、抵抗される方もいるかもしれません。

 

ご意見いただければ幸いです。

 

まとめ

〇 不登校の実態は確実に増えてきている

〇 しかし、調査結果に計上されていないと思える子も多く、不登校の数は文科省が出している14万人よりもはるかに多いと思われる。

〇 国が不登校の子供たち全員を支援していくのには限界があり、だからこそ社会や大人たちが子どもの生きる力を育てるために考えていくことがこれからは必要である。

 
 
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