フリースクールで出席扱いになって、不登校支援はどうなるの?

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今日のニュースで、文部科学省が新しい通達を出したという報道がありました。

それによると、フリースクールへの参加を出席扱いとすること、そして復学を無理強いさせないということが明言されたとのことです。

参照:不登校生「出席」 文科省、学校復帰無理に求めない方針

この記事を読むと・・・
1)2019年10月現在の国の不登校支援の状況がわかります。
2)その上で私たちが考えないといけないことが見えてきます。

今回の文科省の通達の内容

参照元の記事によると内容は以下の通りです。

不登校の小中学生が全国で約16万5千人と増え続けていることなどを受けて、文部科学省は、(抜粋)フリースクールなど学外の施設に通う不登校生を「出席」扱いにしやすくする通知を、25日付で全国の教育委員会に出した。復学のみを目標にしがちだった教育現場の意識改革につなげる狙いがある。

不登校生には、行政が支援する教育支援センターや民間のフリースクールなど学校外で学ぶ児童・生徒も多い。これまでも所属する学校長の判断でこうした子どもを出席扱いとする制度があった。ただ、文科省は過去に出席扱いする条件として「学校復帰が前提」と解釈できる通知を出しており、学校に戻る意思がないと適用されないこともあった。

(抜粋)

同省幹部は「休養が必要な子どもには無理強いはせず、将来的に本人が復学を希望したときは円滑に戻れるような環境づくりをしてほしい」としている。

内容を説明すると、今までは学校復帰が前提でないと、フリースクールを出席扱いとはできなかったのが、今回の通達で学校復帰が前提ではなくても出席扱いにして良いということです。

今回の通達はかなり画期的なものだと個人的には感じています。

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今回の通達が画期的だと感じた理由

不登校支援に学校復帰以外の選択肢を与えたという意味では、今回の通達は画期的だと思います。

今までは不登校支援のゴールは学校復帰しかなかったのです。

そして、それがどれだけ険しい道のりかは現場の先生なら誰もが痛感していることと思います。

当然ながら、学校に行くか行かないかの争いのほとんどは、子どもが引きこもることで決着します。

無理やり子どもを学校に連れて行ったとしても、よくて保健室登校止まりのところが多いのです。

そうした現状の中で、「無理やり復学をさせない」とした今回の通達は画期的なものだと思います。

ただ、それは「子どもや保護者にとって」というよりも、むしろ学校の先生にとってといった方が良いかもしれませんが・・・。

そもそも今回の改正は誰のためのもの?

まず、公立学校の教職員は公務員です。

公務員である以上、国の命令に従わないといけません。

そして、国の命令が「学校に行くようにしなさい」と言ってる限り、学校の先生は学校復帰に向けて、何らかの支援を続けていく必要があります。

当然ですが、不登校のお子さんの中には、「学校に行かないほうがよく育つタイプ」もいます。

しかし、国が「学校に行くようにサポートをしなさい」と言っている以上、それは許されないわけです。
(あくまでも理想論ですが)

ちなみに、子どもが学校に行く義務なんて本来はありません。

親や国、大人が子どもを学校に行かせる義務があるだけです。

そして、教職員は国の指示や通達に従って、そして地方自治体の指示に従って、教育活動をしていく義務があるのです。

そうした中で、「無理やり学校復帰を促さなくてもいい」「フリースクールも出席扱いとしてOK」という通達は、学校の先生がもっと広い視点で子どもの支援を行うことができるという意味では、とても画期的なものだと思います。

だからといって学校に行かなくていいわけじゃない

しかし、一方で懸念する部分もあります。

それは、「学校に行かなくてもいい」という誤った価値観を与えてしまう可能性です。

不登校の子どもは確かに学校に行けません。

しかし、それで学校に行かなくていいかというと全く違います。

最近の「学校に行かなくても幸せになれる」という風潮と、今回の通達によって「学校に行かなくていい」という部分だけが一人歩きしてしまう危険性があります。

「学校に行かなくていい」という人が増えてきたことに私は不安を感じています。

日本の社会は学校を基盤として作られているという事実

まず、日本社会というのは学校教育を土台として作られています。

「そんな馬鹿な」という人がいるかもしれませんが、例えば中学校から不登校になってしまい、そのまま高校に進学することができなかった20歳の若者を取ろうとしますか?

採用するにしても、一瞬「大丈夫かな?」と考えますよね。

高校や大学を途中で変わっただけでも、「この人は大丈夫か?」と勘ぐってしまうのが日本社会です。

その理由として、たいていの人は中学校に普通に登校し、そして高校も何気なく通い、そこから就職したり、大学に行ったりします。

そうした人が大半であり、学校に行けない状態が続くと、自立した生活を送ったり、就職ができるようになるまでに、かなりのエネルギーが必要になります。

こうした現実を考えると、私は不登校のお子さんはできればカウンセリング登校や別室登校、夜間登校を通して、なるべく学校に通学させた方が良いと考えています。

少しずつ、社会に出ていく訓練をしていく必要はあると思うのです。

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そもそもフリースクールは高い

今回の通達ではフリースクールも出席扱いになります。

しかし、フリースクールは大体月に3万~5万くらい必要です。

高いと思われますか?

私は以前、フリースクールを作ろうと思い、必要諸経費を調べたことがありましたが、実のところ、それでも少なく、少し傾けば一気に赤字経営になる金額です。

スタッフもボランティアが大半のところが多いです。

つまり、最低3万はもらえないとフリースクールの維持は難しいのです。

その費用は国が出すわけではなく、各家庭が捻出するしかありません。
(中には協賛費や募金などで運営を賄っているところもあります)

月3~5万の利用費が払える家庭がどれくらいあるでしょうか?

実のところ、フリースクールに行かせることができる家庭はそれほど多くはありません。

特に貧困世帯ではまず行かせることは難しいでしょう。

国の不登校支援も行き詰りつつあるという実態

多くの家庭では教育委員会が設けている適応指導教室に行きますが、最近は予算の縮小で開校日数も少なくなってきているのが現状です。

数年前に、ある自治体の敵層指導教室の開室日は週2日、しかも定員が10名もないと聞いて、愕然とした記憶があります。

つまり、国自体が不登校支援にまで回せるお金が無くなってきているのが実情であり、だからこそ民間のフリースクール等にお願いをしていかないといけない状況になってきているのだと思います。

スクールカウンセラーも増やしてほしいところですが、現状では増えることはなかなか難しいんじゃないかなと思います。

そうした予算がなかなか出せないということも、今回の通達の背景にあるように思えてなりません。

今回の通達の意味を理解しよう

今回の文科省の通達は、不登校支援の幅を広げていくためにはとても画期的なものだと思います。

しかし、その背景には国の財源不足や教師の負担の削減といった面があるのではないかと、個人的には考えています。

そして、一番懸念されることは「子どもを無理して学校に行かせなくてもいい」という部分のみが独り歩きしてしまい、不登校支援が今まで以上に中途半端になってしまう可能性です。

個人的には、国が子どもを見ないといけないという形になっている以上、不登校のお子さんは学校とはつながっておくべきだと思います。

そして、その中で少しずつ子どもの成長を探して、支えていくことです。

そうした不登校支援の根幹が揺らいでいくのではないかという不安を感じずにはいません。

ただ、今回の通達は、逆に言えば、子どもを学校に縛られないで見ることができるようになったということであります。

不登校支援のポイントは生きる強さをどう伸ばしていくかです。

その上で学校以外のほうが伸びるお子さんであれば、学校以外の選択肢を入れておくといいでしょう。

しかし、そうしたお子さんは少数派です。

多くは少しでも学校とつながり続けた方が良いお子さんばかりです。

そのため、今回の通達はフリースクールや学校以外での教育が一つの選択肢として選べるようになったというだけに留めておくのが無難です。

基本はお子さんに向き合い、理解し続ける姿勢です。

その中で、お子さんの成長にとってプラスになると思えることを支えいてくことが、不登校支援の基本であることは変わりません。

 
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