カウンセリングでの直面化について考えてみる

私たちは日々多くの問題に直面します。
そうした問題に向き合うこともあれば、逆に見ないようにしていることも多々あります。

そして、見なかったために、向き合わなかったために、問題の解決を後回しにしてしまい、気づけば大きな問題に発展しているなんてこともあります。

その問題に向き合わなかったために、後で苦しい思いをすることがあります。

カウンセリングではそうしたその人が本来向き合わないといけない問題や課題に向き合う過程を「直面化」と呼びます。

しかし、この直面化というのは非常に難しいものです。

今回は私の臨床経験を踏まえて、直面化というものについて考えてみたいと思います。

ちなみに、ここで取り合えげる直面化は精神分析でいうそれとはちょっとニュアンスが異なります。

あくまでも現実にどう向き合うかという意味での直面化だと思って読んでください。

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問題に向き合うのには一定の準備がいる

まず、考えないといけないことは、向き合うべき問題や課題に向き合うためには、一定の準備期間が必要になるということです。

例えば、常に夫の不満を口にしているクライエントがいます。

ある日、夫に叩かれたそうで「DVを受けた」とカウンセラーに訴えます。

カウンセラーが詳しく話を聴いていくと、どうやらそのクライエントが夫に対して人格否定ともとれるような暴言をしたために、夫が我慢できなくなって手を出したとのことです。

カウンセラーは「そんなに夫が嫌なら別れたらどうですか?」と問いかけますが、クライエントは「夫がいなくなると生活できない。しかし、夫のことは本当に嫌いだ」と訴えるのみです。

こうしたクライエントが直面しないといけない課題は、「夫が嫌なら別れるしかない。夫と一緒にいるのであれば、夫と仲良くなれるよう自分を変えていかないといけない」ということです。

しかし、クライエントはどちらも選ぼうとしはしません。

ただただ、「夫が嫌いだ」と訴え、「夫のせいで私が狂いそうになる。おかげで薬も飲んで生活している」と訴えるのみです。

こうした場合では、現実に直面化させるようにすればするほど、クライエントはかたくなに拒否し、やがてはカウンセリングの失敗を招く結果になるでしょう。

理由は明白です。

クライエントに現実を受け入れるだけの心の準備ができていないだけなのです。

だから、どちらも選ぼうとはしません。

直面化できるまでクライエントを育てていく

まず、カウンセリングでは直面化できる強さを育てていくという過程があります。

アセスメント(見立て)の中で、「このクライエントはどこまで現実に直面化できるのか」というのを把握する必要があります。

そして、「どうすれば現実に向き合うことができるか」というのを考えながら進めていきます。

上記の例のクライエントで言えば、最初の段階で「夫と一緒にいたいか、それとも別れたいか。まずはそこを整理していきましょう」と投げかけるかと思います。

ここで、最初のカウンセリングの契約が取れます。

そこで、少しずつクライエントの考えていることを整理していき、最終的に「夫と一緒にいたい」ということがクライエントのニーズとなれば、それができるためにはどうするかを一緒に考えていくでしょう。

逆に「離婚したい」ということが明確になれば、その方向でのカウンセリングを一緒に考えることになります。

仮に「やはり、わからない」というのであれば、「まずは、そのあたりが明確になるまで、一緒に考えていきましょう」とカウンセリングの当面の目標について決めておくこともできます。

これらのやり方は、選択理論心理学をベースとしたリアリティセラピーのやり方ですが、少しずつクライエントの願望や気持ちを整理していくことで、直面化できるようにサポートしていくことができます

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とはいっても直面化までに時間がかかることも事実

とはいっても直面化ができるまでに時間がかかるケースも当然ですが多いです。

人はいろんな経験をしていくことで、様々なことを学び成長していきます。

例えば、会社に入ったものの、職場が合わず、後先考えずに「すぐに辞めたい」という人はいます。

しかし、2~3年そこの会社で働くうちに、徐々に視野が広がり、「こういう風な仕事を将来したい」「今の会社では将来的に自分が望んでいるようなことは難しいから、転職しよう」「ここで多くのことを学んだし、もっと今の会社で頑張りたい」と思えるようになってきます。

「やっぱし頑張ったけど、自分にはこの仕事は向いていないなあ」と自己理解につながることもあります。

入社してすぐに衝動的に辞める場合もあれば、2~3年働いて冷静になって辞める場合もあります。

会社の中でゆっくりと成長し、自分を冷静に見つめることができるようになり、その後の転職活動を有利に進めることができたというケースは意外と多いものです。

人は多くの出会いや経験によって成長し、問題に冷静に向き合う強さを得ていきます。

カウンセリングでは「待つ」ということも大切な技術です。

それはクライエントの強さをしっかりと信じているからこそできるものではないかと思います。

カウンセリングの案内は↑からお願いします。

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